"L’homme n’est qu’un roseau, le plus faible de la nature; mais c’est un roseau pensant. Il ne faut pas que l’univers entier s’arme pour l’écraser : une vapeur, une goutte d’eau suffit pour le tuer. Mais quand l’univers l’écraserait, l’homme serait encore plus noble que ce qui le tue, parce qu’il sait qu’il meurt, et l’avantage que l’univers a sur lui, l’univers n’en sait rien."

(人間は自然界においてもっとも弱い葦に過ぎない。しかし人間は考える葦である。人間を押しつぶすのに宇宙全体が武装する必要はない。人間を殺すには、蒸気、一粒のしずくで十分だ。しかし宇宙が人間を押しつぶしたときにも、人間は人間を押しつぶした宇宙よりも高貴なのだ。なぜならば、人間は自分が死ぬことを知っているし、宇宙のほうが自分よりも強いことも知っている。宇宙は何も知らないのだ。)

-Blaise Pascal / ブレーズ・パスカル

 

パスカルは、誰しもが知っているであろうフランス人の一人です。

哲学者や数学者として有名ですが、物理学者、宗教家、思想家としても活躍しました。

 

上のことばは、彼の代表作『Pensée パンセ』に出てくる一節です。最初の一文が特に有名ですね。

 

宇宙や自然に対する人間存在の小ささを認めていると同時に、「noble 高貴」という単語からもわかるように、人間存在の大きな可能性を感じさせてくれることばです。

 

パスカルのこの思想は、哲学史における自我論を展開させ、現在では当たり前のように使われている「アイデンティティ」という言葉のもとになっているという一説もあります。

 

ちなみに、代表作 ''Poil de carotte'' (『にんじん』)の著者として知られるフランスの小説家、詩人、劇作家であるJules Renardは、特に有名な ”L’homme est un roseau pensant.” (人間は考える葦である)というパスカルの名言をもじって、”La femme est un roseau dépensant.” (女性は浪費の葦である)という迷言(?)をつくっています。よっぽどパートナーが浪費家だったのかしらと考えてしまいますが・・・

 

このように、ことばあそびのようであり、しかしながらしっかりしたフランス語と作者の光るセンスが感じられることばは、フランス語の良い勉強にもなり、原文とは違う形で価値あるものであると思います。

 

人間は弱い存在でもあり、宇宙よりも大きな存在でもあり、浪費や堕落もする存在でもあり、考え、想像し、力強く発展し続ける存在でもあります。

 

「人間存在とは?」という問いをめぐって、何世紀もの時を超え、アリストテレスやパスカル、デカルトやヘーゲルやフーコーといった名立たる哲学者たちと共通の問いに取り組み、先人の思考を参考に自らも考えるといった行為に何かロマンスを感じますね。

 

みなさんは、人間はどんな存在であると考えますか?

 

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