ニュースを見たり聞いたりしながらフランス語を勉強しよう(続)

報道からニュアンスを含めて細かくフランス語を勉強しましょう。

 

  • 主語と述語の反転
  • 先回の続きで報道のフランス語のお話。

    日本語の場合、文章を受身にするかどうかは、文脈や慣用で決まるのでそんなに自由に変えませんが、フランス語の場合は比較的自由です。

    La cavalerie a décimé les Indiens. でも

    Les Indiens ont été décimés par la cavalerie.

    でも同様に成り立ちます。

    これをニュースを読んでいるときに注意して読んでいると、書き手の意図が見えてきます。

    郊外で女の子が若者にガソリンをかけられて焼死した事件がありました。これを、

    Une jeune fille brûlée vive: Un jeune de banlieue a déversé de l'essence sur la tête de jeune fille.

    とするか

    Une jeune fille brûlée vive: De l'essence a été déversée sur la tête de jeune fille.

    とするかで、政治的社会的影響は全然違います。

    郊外の青年の危険なことを強調して、警察による弾圧を国民に飲み込ませるには前者の方が良いとか色々と考えられますよね。

     

  • 警察のコミュニケから考えよう
  • 次のような例はどうでしょうか?

    何年か前の大晦日に夜遅くかえる利用者の便を図って国鉄が(SNCF)すべての郊外線の料金を一律1,2ユーロにしたことがありました。そうしたら、一車両全部の利用者が追いはぎにあったことがありました。 警察の介入が遅れてメディアでたたかれたときの警察のコミュニケです。

     第一声が:

     La Police n'avait pas été prevenue à temps.

    これを

    La Police n'avait pas été prevenue. とすれば、すぐに嘘であることがばれて、警察はまた叩かれることになります。ところが、この à temps と言う正確であるようで実は全くあいまいな表現によって「嘘をつかずに嘘をつく」ことが可能になります。 そして責任の所在が完全にあいまいにされてしまいます。

    次のようなコミュニケも出ました。

    La Police regrette le délai entre la constatation des faits et le moment où elle en a été avertie.

    これも délai と言う正確であるようで実は全くあいまいな表現で「嘘をつかずに嘘をつき」かつ、情動的な非難の焦点を技術的な問題に移してしまうことによって、他へ責任を転嫁することに成功しています。警察が本当に問題にしなければならない、加害者や被害者は完全にどこかへすっ飛んでしまっています。

    あるいは次のようなコミュニケも出ました。

    La Police n'a pas été avertie que la SNCF vendait des billets à 1,20 euro.

    こうして責任の所在と問題点を完全に移してしまうのです。警察の無能が問題であったのに、この最後のコミュニケでは、国鉄が両者の便をはかって大晦日に料金を安くしたことが問題の焦点になってしまっています。 これなどは、読者に、貧民層=犯罪者と言う等式を国民の無意識に植え付けて警察による郊外での力の弾圧を国民の目に正当化するための警察権力による報道操作ともいえます。

    少々脱線ですが・・・

    上記の主語と述語の反転の応用で、 フランス人と押し問答になると、相手がこちらに圧力をかけるために、

    Je connais le Président.

    等と言う輩が時々いますが、そんな時はこう答えればよいでしょう。

    Et le Président, il vous connaît ?

     


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