フランスでの引越しの時に荷物に損傷があった時はどうするか?

自分で荷作りをしなくてはいけない単なる運送屋から、荷作りから新しい住居で荷を解いて分解された家具の組み立てや電化製品の接続までしてくれる引越し屋さんまで色々とありますが、こうした引越しの場合に単なる荷物の損傷から、家具の組み立ての不備や電化製品の接続の不備などによる問題まで、色々ありますがそんな問題が起こったときにどうしたらよいか?ご説明します。

 

  • 気を付けること
  • まず引越し屋さんの仕事が終わったら、一緒に簡単に不備がないかを確認します。その上で仕事終了のサインをしますが、そのときでも、"Sous réserves" (明記しない条項については保留)の記載をしておきます。

    時々引越し屋さんの契約書で、運送物の破損については責任を負わないというようなことが書いてあるものがありますが、これは濫用条項にあたり全く無効です。運送屋が責任を負わなくてもよいのは、自然災害などの不可抗力の場合だけです。 この場合裁判にする場合の時効は一年です。

    原則として引越しの終わった時に破損等は通知されなくてはならず、それが出来ない時は "sous réserves" の記載が必要となるのですが、2009年12月8日の法で、そういった記載がなくても引越し終了後10日以内にクレームをつければ良い事になりました。したがって何か問題がある時は、10日以内に正確に問題を記載して受領証つきの書留で通知します。

    よくこれらのことも3日以内にしないと無効と言う事が書いてある契約書がありますが、それも濫用条項ですから無視してかまいません。

    この保留条項等についてその手続きの仕方が契約書あるいは運送屋の案内書ににきちんと記載してない場合には、このクレームの期間は3ヶ月に延ばされます。

    このクレームを通知する場合には、破損したものの写真やあるいは水浸しになった洗濯機などを写真を取っておき、コピーを同封するとよいでしょう。もしも破損した家具等が高価な骨董である場合には、執達吏に破損の公正証明書を作ってもらっておくとよいでしょう。 これで引越し屋があなたの満足できる損害賠償をすれば一件落着です。

     

  • 示談への努力
  • さもない場合には、まず示談の努力をします。

    フランスですから当事者同士で話をしてもなかなかうまくゆきませんから、引越し屋業界の連盟の仲裁係あるいは消費者連盟に頼むとよいでしょう。

    引越し屋業界の連盟の仲裁係りでしたら、どちらの味方をするということもなく(といっても同じ穴の狢と言うことも考えた方がよいのも事実ですが・・・)和解の道を探してくれるでしょう。消費者団体でしたらこれはあなたの味方をして(あなたの言っていることが理に適えばですが・・・)戦ってくれます。

    これで満足の行く結果が得られれば、一件落着。

    さもなくば裁判になります。

     

  • 裁判の事例・判例
  • 裁判と言うのも時としてわれわれの常識とはかけ離れた論理で結論が出ますから、良く考えて始めないとがっかりします。

    こんな例もあります。

    引越し屋が契約書どおりにきちんと荷物をアパート内で運ばずに玄関に全部置いて帰ってしまったために、それを全部各部屋に運んで整理したおばさんがぎっくり腰になって、契約不履行が原因だから損害賠償をせよと訴えた件では、裁判官は、誰かに頼んで手伝ってもらえばよかったのを一人でやったのが悪いから、引越し屋にはぎっくり腰の責任はないとして、損害賠償請求を退けました。

    この裁判を起こす期間は最高裁の見解と分かれておりはっきりしませんので、1年と言うのは絶対確かです。3年と言うのになると見解が分かれます。

    次に契約書によっては、管轄の裁判所が引越し屋の近くの裁判所に指定してあることがよくありますが、これも濫用条項ですから無視してかまいません。自分の新しい住居の近くの裁判所へ訴えます。

    問題となる金額が4000ユーロ以下の場合には、近くTribunal d'Instance 内の Juge de proximité へ訴えます。これは書記課 (Greffe) にある所定の用紙に書き込むだけですから簡単に出来ます。このときに写真等の証拠も同時に提出しておきます。相手の召喚等すべて裁判所がやってくれますから実質上は費用が全然かかりません。

    問題となる金額が4000ユーロから10000ユーロの場合には、Tribunal d'Instance へ訴えますが今度は相手の召喚等を訴えた方が執達吏を通してやらなくてはいけませんから費用がかかります。そしてこうした裁判の費用は裁判に勝っても判事は裁判の費用を相手持ちにする判決はまず出してくれません。

    問題になる金額が10000ユーロを超える場合には、Tribunal de Grande instance へ訴えますがこれは弁護士が義務つけられています。 これであなたに満足の行く判決が出れば一件落着です。さもなければ上訴しますが、これはもう複雑になりますから弁護士に相談した方がよいでしょう。

     

    ※情報は掲載時点のものです。また、あくまで一般論であり、背景の異なる個別のケースでは該当しない場合もあります。最新の情報やお客様のケースにあった情報につきましてはお問合せください。

     


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