フランスにおいてアパート等の改修をするときの注意点

フランスにおいてアパート等の改修をするときの注意点をいくつかご紹介いたします。

 

  • 外観の変化
  • 共有部分は勿論のこと、私有部分でも外観に変化が起こる改修は家主の組合 (assemblée générale des copropriétaires) の許可が必要です。これは家主の組合の規則 (règlement de copropriété) とは別のことです。    

    ベランダを付け足すなどは勿論ですが、建物と違う色を自分のところの外観だけに塗るという場合も許可が必要です。そればかりか、夏の強い日差しを避けるために窓の内側にフィルターをガラスに貼り付ける場合も許可が必要です。あるいは地上階に済んでいるときに窓の外に安全のための鉄格子をつける場合も許可が必要です。    

    気をつけなくてはならないのは、例えばレストランやパン屋さんなどをやるために買ったり借りたりした場合に、通気口をつけたりすることが法で義務付けられているとした場合でも、許可なしに工事をすると、家主の中には意地悪な人がいて訴えたりされますと、裁判で元通りに戻せという判決が出たりします。    

    例えば賃借人の場合に、こういった工事をするとします。この場合に、大家さんあるいは管理組合 (Syndic) の許可をとるということは何の意味もありません。肝心なのは家主の組合の許可だけです。そしてこの許可は出欠をかまわず、総数の過半数の決定で出します。したがって、出席者と委任されているものだけの過半数で決めたものは無効とされます。    

    また許可が出た時は忠実に条件を守ることが必要です。こんな例もあります。家主の組合が上記の規則どおりの過半数で許可を出したのですが、このときに、上下左右の隣人の許可を取ることという条件をつけたのです。夏休みのため左右の隣人の許可は取れたのですが、上下の隣人の許可をとらずに工事をしたら、夏休みから帰った意地悪な上下の隣人が裁判に訴えて、裁判所は工事前の元通りに姿にすることを命じました。    

    地上階に住んでいる人で、しょっちゅう落書きをされて困った人が、新しく壁を塗りなおした時に、周りの色とは違う自分の好きな空色を塗ったのです。そうしたら他の住民に訴えられて裁判所は元の色に塗り返すことを命じました。

    交通量の多い道路にすんでいる人が、やはり家主組合の許可なく窓を二重窓にしてついでに旧式の雨戸を新式の自動雨戸に変えた件では、矢張り他の家主に訴えられて、裁判所は窓や雨戸を元通りにすることを命じました。    

    これはあなたが地上階を借りてお店をやっている時も同じで、看板などを違ったものに変えたり塗り替えたりする時もきちんと家主組合の許可を取ってからやらないと、訴えられた時に、元通りにせよなどという判決がでて、泣くことになりかねません。

     

  • 時効-10年という境目
  • しかし、こうしたことにも時効らしきものがあって、10年以上たったら訴えられないということになっています。裏を返せば、数年間何も言われなかったからと安心していると、アパートの売買があって、新しく来た持ち主が意地悪で訴えるなどと言うこともあります。    

    この10年と言う期間は何時からスタートするかと言うことですが、これは工事が終わった時からです。

    少しデリケートな話ですと、無許可で冷房装置の工事を1987年にしてその12年後の1999年にそれを取り替えた人が、その後、2007年に訴えられた例では、最高裁はこの10年の時効は最初の工事が終わった時から数えるとして訴えを退けました。

     

  • 家主組合と裁判
  • これとは逆に、うるさいので窓を二重窓にしたいのだが、家主組合が反対するので出来なくて困ると言う時は、裁判所へ訴えて許可を取ることも可能です。この場合は裁判所が許可と共に工事の条件を決めます。ただし、裁判所も全能ではありません。家主組合の反対を押し切って判決できるのは家主組合の規則で決められている件以外についてです。家主組合の規則で決められている件については、それをやぶって許可を出すことは裁判所でも出来ません。    

    したがって家主組合の規則にあることは、あきらめて従うか、組合の総会で規則を変えるかであって裁判所は介入できません。    

    同様に許可を取る場合は、まず家主組合に許可を求めます。それをせずに裁判所へ訴えて許可を取ると、その判決そのものが無効になってしまいます。

     

  • 許可について
  • 建物の外観が関係している場合には、上記の家主組合の許可のほかに、役所の許可が必要です。これは市役所の担当課で手続きをします。これらの手続きをせずに工事をすると、今度は家主組合の場合のように、私法の枠内のことではなくて違法ですから、元通りにせよと言うばかりではなくて、罰金の憂き目を見ることもあります。

     

  • 家主の義務
  • 家主は、建物のプライベートな部分(窓枠やベランダなど)の保全をする義務が有ります。したがって、借家人が窓を閉めようとして、柵が腐っていて落ちた場合は大家の責任となります。柵が落ちて下に止められていた自動車を破損した場合も、同じように家主に責任があります。    

    窓から鳩にえさをやるために鳩の糞で建物が汚れると、それも鳩にえさををやっている人の責任になります。    

    建物の共通部分が問題で事故が起きた場合には、家主組合の責任です。例えば、窓枠はプライベート部分ではなくて共通部分になりますから、そこの保全が悪くて水漏れの事故が起きたときには、家主組合の責任です。

     

    ※情報は掲載時点のものです。また、あくまで一般論であり、背景の異なる個別のケースでは該当しない場合もあります。最新の情報やお客様のケースにあった情報につきましてはお問合せください。

     


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