フランスにおいて祖父母が孫に面会する権利 (Le droit de visite des grands-parents)

フランスにおいて祖父母が孫に面会する権利 (Le droit de visite des grands-parents)についてその概要と複数の判例をご説明します。

表現が複雑になるために祖父母という表現で以下述べて行きますが、この子供達と人間関係を保って行く権利は祖父母・曾祖父母などの全ての祖先に適応されます。

 

  • 概要と判例
  • 全ての子供はその祖父母と健全なる人間関係を保って行く権利があるということで、特に子供の健全な発育に反することのない限り判事は祖父母が孫にあう権利を認めます。

    たとえば、両親がその親と(従って子供達の祖父母です)と喧嘩状態にあり、両親が子供たちが祖父に会ったり祖父の家に泊まることを禁止した件について、判事は子供対の健全な発育の為に祖父母とよい人間関係を保って行くことは望ましいばかりか必要であるとして、祖父母に孫たちに会うことを認めました。(cass.civ.14/01/2009 N°08-11035)

     

    こんな例もあります。

    夫がなくなってから、子供たちが父方の祖父母の家へ行くと、かならず祖父母がお父さんの思い出を話すため、子供たちが悲しくなって帰ってくるので、お母さんが子供たちが父方の祖父母にあうのを禁止しました。

    判事は月に一回の週末、夏休みは7日の間子供達に会うのを認めました。

    判事は、子供たちが父方の祖父母と人間関係を保って行くのは、子供たちがその生誕のルーツを確認して自分達のアイデンティティーを育てて行くために必要であるとしました。(Cass d'Aix-en-Provence 16/05/2006 N°05-07516)

     

    孫に会う権利については、2007年3月5日の法で微妙にニュアンスが変わりました。

    それ以前は何か重大な理由がなければ祖父母が孫に会う権利に反対することは出来なかったのですが、この法以後は、子ども自身の健全な発育が判事の考慮の中心点になりました。

     

    こんな例もあります。

    両親に性的虐待を受けて判事によって他の家族のところへ預けられた孫娘に会えなくなって苦しんでいるおばあちゃんが孫娘に会える様に許可を求めました。このおばあちゃんは性的虐待にはなんら関係なかったのですが、判事は孫娘の受けた性的虐待とそのトラウマに影響がありすぎるとしておばあちゃんの申請を却下しました。クリスマスと孫娘の誕生日に手紙を書くことだけが許可されました。

     

    両親と祖父母の間に重大な紛争があり、それが子供の健全な発育に悪影響がある場合にも祖父母が孫に会うことを禁止することが出来ます。

    これは孫の教育などに関する意見が両親と祖父母の間で異なり紛争に発展した場合にも当てはまります。

    子供の前で親を不用に批判する祖父母などもこの場合に当たります。

    ただし、単なる両親と祖父母の間の気持ちの行き違い程度では、祖父母が孫に会う権利に反対することは出来ません。

     

    祖父母が、孫に会ったり孫を泊めたりすることの許可を求める場合には、常に子供達の健全なる発展のためという基本にのっとっていないといけません。

    従って何らかの理由で離婚後自分の子供にあえなくなった息子を助けるためにその母親がおばあちゃんが孫に会う権利を主張して、自分の息子とその子供が自分の家で会うようにしてやる等と言うのは、それが分かれば許されません。

     

    こんな例もあります。

    大変支配欲の強いおばあちゃんがいて、そのおばあちゃんが孫に会う権利を主張したとき判事はその申し立てを却下しました。心理テストの結果そのおばあちゃんが孫に対する愛情で会いたがっているのではなくて 、子供達を支配しているおばあちゃんがその支配が孫にも及ばないのを苦しんでいるだけだというのが判定されたからです。

     

    また子供達の離婚後10年以上も音沙汰のなかった祖父母が孫に会う権利を主張したものについても、特に愛情関係のない現在子供達の発育上特に必要なことではないとして却下されました。

     

    こんな例もあります。

    子供達に関する集まりなどに数ヶ月の間に4回もリヨンからマルセイユまで出かけたりしていた86歳のおばあちゃんに対しては、十分な愛情の絆があるという判断を下しています。

     

    両親が離婚している場合に祖父母が孫に会う権利というものは、両親が子供にあう権利とは独立して判断されます。

    勿論両親が子供にあう権利のほうを優先して面会や宿泊のときが決められます。

     

    これは単に時間の配分だけではなくて、子供の教育についてもいえます。

    例えば両親が敬虔なキリスト教徒で祖父母が熱烈な無心論者の時などは、祖父母の孫に会う権利が拒否されたことがあります。

     

    判事は子供体の気持ちも考慮に入れます。

    これは子供たちが言葉で表明したものばかりではなくて、態度で表明されているものも考慮されます。したがって、子供たちが意地悪で怖いから怖ろしいなどと思っているおばあちゃんには許可が出ないことがあります。

     

    判事は孫に会う場所や宿泊の場所についても指定することが出来ます。

    長い間、孫に会ったことのないおばあちゃんに対して判事は6ヶ月の間月に2時間だけ家の外で会う事を許可しました。6ヶ月の後に孫との間に出来た愛情関係によってその後の許可の条件を決めるというものでした。

     

    こんな例もあります。

    息子と大喧嘩になったおじいちゃんが孫の前で息子(従って孫の親)を罵倒するばかりではなくて息子の会社へ乗り込んで家庭の秘密を暴露するという件では、判事はこのおじいちゃんに孫と手紙でやり取りすることだけを許可しました。

     

    あるいは、息子が子供に対する虐待で罰せられた時に、その母親が孫に会う権利を申請した件では、判事はおばあちゃんが孫に会ったり泊めたりする権利を認めましたが、息子(従って孫の父親)が子供がおばあちゃんのところにいる間に一切のコンタクトが出来ないという条件をつけました。

     

    ※情報は掲載時点のものです。また、あくまで一般論であり、背景の異なる個別のケースでは該当しない場合もあります。最新の情報やお客様のケースにあった情報につきましてはお問合せください。

     


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