フランスでの競売の楽しみ方

フランスは古い歴史のある国、そして文化の都ですから、今でも地方の競売やがらくた市で買ったものが、ピカソやゴッホの本物のデッサンであったりして、時々話題になっています。

そういうジャックポットをあてることも含め、そんなことを考えながら、競売を楽しむのも、楽しいものです。

以下で競売の説明をします。

 

  • フランスの競売
  • 最近では、eBay やそのほかのネット上の「競売」もありますが、あれは正式にはここでいう「競売」には当たりません。あれはある意味ではブローカーですから、正式の競売で、競売吏が購入者に保証するような保証はついていません。購買者と販売者のプラットフォームを提供しているだけですから、競売吏のように売買の委任を受けているわけではないのです。ですから、売られるものについても、競売会社のように、買った人に対して保証をしてはいません。

     

    現在フランスには競売の会社が403軒あります。

    パリで有名なのは、Drouot, Sotheby's, Christie's, 等ですね。

    2016年の数値で、フランスで行われた競売の売り上げは、29億ユーロです。1年間の増加率は7%です。

    現代では、ネット上の競売も多く組織されていて、2017年の前半期だけで、drouotonline.com だけで1212件の競売が組織されています。毎日7件の競売が組織されている計算になります。

    テレビや映画で見ていると、競売というと何億、何十億のものが売られているような印象を受けますが、そんなことはなくて、日常の競売場では、数百ユーロのものが主体です。

    競売を始めてみようということでしたら、まず競売場に行ってみることですが、その時に競売場のアラートシステムに登録しておくと、競売がある時には、通知が来るようになります。注意しなくてはいけないことは、このアラートシステムに登録すると、大変な量の競売の通知が来るようになって、メイルボックスに大きな負担がかかるかもしれません。自分の興味のある分野だけに絞っておくべきですね。

    また、競売場のDrouot が出している週刊の La Gazette Drouot を取ると、そこにはフランスで行われる競売の主だったものが出ています。 興味のある競売については、ネット上でカタログを見ることができますし、競売場に頼めば、多くの場合無料で送ってくれます。

     

  • 競売までの流れ
  • ①下調べ

    さて通知やカタログを見てほしいものが見つかったら、買おうと思うロットの相場を調べます。 一番簡単なのは、競売会社にきけば、そのロットの芸術家や物の相場をたいていは無料で教えてくれます。 一番良いのは、競売吏とアポイントを取ってあってみることですね。 Drouot の場合には、月曜日から金曜日にアポイントなしで会うことができます。 直接会いに行くことができない時には、 Artprice 等のサイトで相場を知ることができますが、これらのサイトは有料です。

     

    ②各種負担費用の確認

    さてこうして下調べをしていよいよ競売に立ち会うことになりますが、結構忘れがちなのが各種の費用です。これらはほとんどが、購買者の負担となっています。

    こうした競売に参加するための費用は,各競売会社が独自に決めていますから、各競売会社に確認する必要があります。

    扱われるものによってもこの費用が変わります。大体は20~30%くらいです。

    競売会社Piasa の例を挙げてみましょう。 ここではワインですと、21.60%、 書籍ですと、26.37%、 その他は、30%となっています。

    金額でも変わりますから、競売会社 Tajan の例を挙げてみましょう。 60000ユーロまでは、30%、 120万ユーロまでは、24%、 それ以上の金額だと、14.40%となっています。

    こうした費用もネット上の競売ですと、もう少し安くなっています。 Tajan で、24%、 Drouot で20%です。

    なお、裁判所による競売の場合には、費用は一律で、14.352%となっています。

     

    ③競売前の下見

    こうした競売がある時には競売の日の数日前には展示がされますから、実物を見に行くことですね。

    展示の日には専門家と競売吏も来ていますから、自分の聞きたいことを聞くことができます。

    競売のカタログには物の傷み具合などはそれほど細かくは書いてはありません。家具なども、塗りの禿げ具合なども実際に見てみるべきです。

    期待して買ったらがっかりしたということも結構あり、2016年だけで、58件の紛争がありました。これらのほとんどが、本物かどうかということではなくて、物の状態が自分が思っていたものよりもずいぶんとひどいという点についてです。

    陶磁器やガラス製品あるいは絵画などは、質の良い写真を見れば状態が判断できますが、時計や銃砲などになると実際に見てみないと写真ではその状態はわかりません。

    競売に付される物の状態の報告書というものを競売吏に求めることができます。これには細かい状態の説明がなされています。 ただし、ロットの競売の評価額がある一定の金額以上ではないと無料ではやってくれません。

     

    ④オークション現場

    競売を始めると、競売の時間は45秒から1分くらいですから、どうしても皆熱くなりがちです。前もって、自分の張る値段はここまでと決めておくべきでしょう。

    競売所へ着いたら身分証明書とクレジットカードを見せて登録します。

    注意しなくてはいけない点は他にもいろいろとありますが、「やったあ。おとした」と思っても、その金額が売り手が決めていた最低金額に満たない場合には、この競売は成立しませんから、せっかくの物もあなたの手には入りません。

    競売場に直接行けない時には、競売会社に登録して自分が張る値段を決めておくこともできます。あるいはネットを通じて、または電話で競売に参加することも可能です。 電話やネットで参加する場合には、数時間前までに登録しておきます。

     

    ⑤支払い

    こうして自分が落としたものについては、その場で支払うことが必要です。大きな競売会社の場合には、1週間くらいの余裕をくれるところもあります。

    この場合には現金ですと1000ユーロ以下。(外国人の場合には15000ユーロ以下しか支払うことができません。)

     

    ⑥保管

    2週間くらいは無料で保管してくれますが、その後は有料となっているところが多いので早めに引き取ったほうが良いでしょう。

    運送に関しては競売会社がたいてい提携している運送会社がありますから、そこに任せれば荷造りなどもやってくれますから便利です。

    競売で手に入れたものを保管してもらうとその保管中は自分で保険を掛けませんと、保険がかかっていないことになりますから注意が必要です。

     

    ⑦カタログの用語

    芸術作品の場合についてカタログの用語をいくつか挙げておきます。

    Attribué à ・・・と書いてあれば、これは競売会社が・・・の作品であることを保証していることになります。

    Atelier de ・・・とあれば画家のアトリエで制作されたことが保障されています。

    Ecole de ・・・とあれば、その画家の影響を受けて画家が死んでから50年以内に制作されたということを保証しています。

    その他、 Dans le goût de・・・、 D'après・・・ などと書いてあるものは、…なる画家と何ら関係があるかという保証がなされているわけではありません。

     彫刻についても、

    fontes originales d'époque とあるものは、作家の生前にその監督のもとに作られたということが保 障されていますが、 fontes originales だけですと作家が死んでから作られたものです。

    1968年以来は、作られた彫像は全部番号付けられるように決められました。しかも、8点しか作ってはいけないことになっています。 この8点以外に作家が自分のために4点作ることが許されています。

    Bronze d'édition と書かれているものは、作家が版権を出版社に売って、出版社が好きなだけ作ったもののうちの一つということになります。

    こうした記述にしたがって買ったがどうも満足できないというおときには、競売から5年以内でしたらクレームを付けることができます。

     

    ※情報は掲載時点のものです。また、あくまで一般論であり、背景の異なる個別のケースでは該当しない場合もあります。最新の情報やお客様のケースにあった情報につきましてはお問合せください。

     


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