フランスにおける墓地の取得について

終活が話題になる日本、その中でも墓地については様々な情報が飛び交っています。フランスのお墓に入りたい方には必見のフランスにおける墓地の取得について概要をご説明します。

 

  • 概要
  • フランスでは、現在ごく一部の例外を除いて、墓所はすべて地方自治体の管理下にあり、葬儀も地方自治体あるいは委託を受けた葬儀会社がやることになっています。

    こうした制度がはっきりして来たのは比較的最近のことで、1904年12月28日の法が基礎になっています。

    革命前には宗教の問題などもあり、葬儀や墓所の問題は甚だ複雑でしたが、現在では、地方自治体が管理する墓所では、そこに住んでいる住民、そこに選挙権を有する人、あるいはそこで死亡した人などは、その地方自治体の管理する墓所に埋葬される権利があるということになっています。

    ですから時々テロなどの問題で警察に打ち殺された犯人がその地方自治体の墓所に埋葬されるということを住民が反対するなどして問題になることがあります。

    フランスの場合現在も原則として埋葬が死者を弔う方法になっていますが、次第に火葬を採用する人も少しずつ増えてきています。

    有名なペールラシェーズの墓地には火葬場があり納骨堂もあります。 この納骨堂には、二種類あり、建物の壁にロッカーのようなものができていてそこにお骨を収める形の物(columbarium)と地面に納骨できるスペースが作ってあるもの(cavurne)があります。

    公衆衛生の問題もありますから、フランスでは、埋葬に関しては細かく規定されています。 そして火葬の場合でも、 cavurne は埋葬と同じ規定に従うこととなっています。

    一般には本人が亡くなるとその家族が墓所を選ぶことが多いのですが、本人が生きているうちに自分で墓所の準備をすることも可能です。

     

  • 地方自治体と墓所
  • 上記でも触れましたが、墓所を管理している地方自治体は、その地方自治体で死亡した人に埋葬される権利を与えています。その他はその地方自治体の住民とその地方自治体に選挙権を有する人が原則として埋葬される権利を有します。

    この条件を鑑みて、もしあなたがフランスのお墓に入りたい場合は、自分の選んだ地方自治体の首長に墓所の権利を買いたいという手紙を書きます。 首長があなたにその地方自治体の墓地の中の一画を専用墓所として期間限定あるいは永世の形であなたに譲渡するかどうかを決める権利を持っています。法的には、その地方自治体で死亡した人あるいは住民であった人は墓所の権利がありますが、あなたが生きているうちに墓所の権利を譲渡するかどうかは、まったく首長の一存です。

    こんな例があります。

    裕福な人が子供がいないので自分の生きているうちに、36平方メートルの墓所を自分の住んでいる地方自治体の首長に臨んだところ首長は場所がないとしてこれを拒否しました。この件は行政裁判所で争われましたが、首長の拒否を支持しました。

    パリ市のように人口が多くて墓地が少ないところでは生前に墓所を獲得することはほとんど不可能です。

    この墓所の申請をするときには自分がその地方自治体に住んでいることを証明する書類、選挙権の証明書や税金の申告書を同封します。

    墓所を持たずに死んだ人の場合には、墓地の専用ではない場所に埋葬されることになります。 埋葬は場所を取るために、火葬にして納骨堂へ納めてもらうという手もあります。

    フランスの場合、2000人以上の住民のいる地方自治体では、Columbarium を設置することが義務付けられています。

     

  • 譲渡の形
  • 首長に墓所を申請するときには、自分が選択する譲渡の形をはっきりと指定します。

    *専用の譲渡の場合には、本人以外には入れません。

    *家族譲渡の場合には、本人とその家族(結婚した相手、子供、そして先祖。)が入ることができます。同棲者あるいはPACSの相手も同じ床に埋葬されることができますが、この場合には上記の埋葬される権利のある人々が反対しないという条件のもとで可能です。

    譲渡の申請をして認められた人は、生前に、誰が埋葬されて誰が埋葬されないようにと決めることができます。 この場合にこの人は自分の結婚相手も除外することができます。もちろんこの結婚相手が、この譲渡の共有者ではない場合の話です。

    *集団譲渡の場合には、譲渡の証明書に書かれている人がすべて埋葬されることができて、この場合には、これらの人が同じ家族である必要もありません。

    ふつうの譲渡される墓所の大きさは2平方メートルですから、ちょうど大人の棺桶一つ分です。したがって複数の人が埋葬されるときには、順次棺桶を積み重ねてゆきます。

    譲渡の期間は、永世、50年、30年、そして一時的となっています。

    これは法で決まっているために地方自治体が20年というような期間を勝手に決めて貸すことはできません。同時にこれらの期間が法で決まっているからといって、このすべての選択肢をそれぞれの地方自治体が提供しているわけでもありません。

    ついでながら、こうして生きている人が前もって墓所を申し込んでも、本人が死亡した時に譲渡の効力が生まれるのではなく、自治体との間に契約が成立した時からです。 あまり早くから譲渡の契約をすると、自分の生前何十年もお墓が空っぽということも起こります。こうした譲渡は永世の場合を除いては、期間が終わった時に、本人(まだ生きていれば)あるいはその相続人が、譲渡の契約が切れてから2年以内に更新を申請すれば何回でも更新できます。この場合の更新は同じ場所で同じ期間できます。 原則として地方自治体はこの更新に対して拒否をできないことになっています。この期間の終了時に2年以内に更新の申請がない場合には、墓所を処理して第三者に譲渡することができます。

    あなたが譲渡を受けた墓所が結局使われることない場合には、譲渡を受けた本人は地方自治体に返還することができます。この場合には有限期間の譲渡の場合には、3分の1は地方自治体の社会事業組織のものになり、残りの3分の2については譲渡機嫌のうち残っている部分に比例して返還されます。

    永世の場合には、地方議会が返還の金額を決めます。この場合にも地方自治体の社会事業組織の取り分についてはきちんと取られます。

     

  • 譲渡の金額
  • この譲渡に関して地方自治体に支払う金額は、地方自治体、場所等によって大きく異なります。したがって、自分の希望する地方自治体と墓所が決まったら問い合わせる必要があります。

    このようにして値段はまちまちですが、同じ地方自治体の同じ墓所の同じような条件の場合には、値段は同じにしなくてはならないことになっています。 従って居住者と非居住者の値段が違うというようなことはありません。

    同時にその地方自治体に貢献した人などについては、地方自治体が感謝の意味で無料で譲渡するということはあります。

    またその墓所の二人目からは地方自治体が階層税のようなものを要求することがあります。

    2平方メートルの墓所で、30年の譲渡で134ユーロから769ユーロまでの開きがあります。 ニースのような人気のある街ですとこれがさらにお高くて、3675ユーロです。

    パリ市内の場合には、場所が少ないので、生前から譲渡を受けることは不可能です。 パリ市内の場合には2平方メートルで30年の譲渡が、2736ユーロです。

     

  • 墓所のメンテナンス
  • あなたとあなたの遺産相続人は墓所のメンテナンスの義務があります。このメンテナンスは専門の会社に頼むこともできます。 さもないと地方自治体は放置された状態にある墓所については譲渡が30年以上の場合には、譲渡を取り消して地方自治体が取り戻すことができます。

    この放棄された状態というのは、例えば雑草が生い茂っているような場合です。 しかしたとえこの30年以上の期間の譲渡の墓所でも、最後に埋葬された人から10年以上たっていない場合には、地方自治体はたとえ放棄されたような状態でも譲渡された墓所を取り戻すことができません。

    この譲渡された墓所を取り戻すというのもなかなか大変なことです。現実に死体やお骨が埋められているのですから。

    自分が譲渡された墓所の一画については、彫像を立てたり柵を作ったりすることは自由です。ただし、墓碑銘をかいたりして文字を書き込むことは、地方自治体の首長の許可がいります。

     

  • 墓所を遺産として相続
  • 譲渡を受けた人は、遺言によって、遺産相続人の一人を指名して墓所の管理を任せると同時に、誰が墓所へ死後はいることができるかを決めるように指定することができます。

    上記にすでに説明しましたが、夫婦の場合でも自分が共同の譲渡を受けていない限りこの管理の権利はありません。ただ自分の死後そこに埋葬されるという権利はあります。

    埋葬される場所は、死亡の順序に従ってなされ、特に誰かが優先権があるという形にはなりません。 こうして遺産相続された人の場合には、直接譲渡の権利を受けた人と違って、誰か権利のある人の埋葬を拒否したり、家族とは関係のない人の埋葬を強要したりはできません。

    こうして長い間に墓所の場所が無くなって、誰を埋葬するかで紛争が起きた時には裁判所の判事は、まず何よりも血のつながりを優先します。

    そうしてついに全く墓所の場所が無くなると、死体とお骨の圧縮をします。 こうした作業は、埋葬から10年以上たっていないと許可されません。

     

    ※情報は掲載時点のものです。また、あくまで一般論であり、背景の異なる個別のケースでは該当しない場合もあります。最新の情報やお客様のケースにあった情報につきましてはお問合せください。

     


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