執達吏の料金

フランスで生活していますと、時々は執達吏のお世話になることが出てくるものです。以下にその料金体系について説明します。

 

  • フランスの執達吏の料金体系
  • 私共の事務支所でお世話をしている自営業や自由業の人たちの中にも時々は手元不如意で社会保障費の支払いが遅れたりする人もあるのですが、社会保険機構も結構簡単に執達吏に書類を回してしまうんですね。

    そうすると本体の支払いが遅れている社会保険支払額以上になりそうな執達吏の料金が書いてあって驚くようなことが結構あります。

    執達吏の独占的な仕事は、召喚状の引き渡し、法の決定の実行の証書の引き渡し、現状明細書の作成などです。これらの仕事の料金は規制されていて勝手には決められません。そして2年ごとに見直されています。

    このほかの執達吏のモノポールではない仕事については料金は自由に決められます。たとえば、調書の作成、示談による取りたて、賃貸契約書の解約の通知の作成や引き渡し、等々です。

    少々細かいことですが、この執達吏の料金はモノポールで規制されている仕事については、émoluments そのほかの自由に決められる仕事については弁護士と同じように honoraires といいます。

    執達吏は次の二つの仕事についてだけ料金の値引きをすることが認められています。しかしこの値引きをするときも10%を超えてはならないとされています。

    *訴訟を起こすための料金

    *取りたてと受領に関する料金

    この場合の値引きというのは特定の顧客に対してなされるものではなくて、執達吏が統一的に値引きをするというものでなくてはなりません。しかもこの値引きは上記のémoluments に相当する部分の最高額にだけ適用されるというものです。最高額というのは、52400ユーロ以上ですから、まあ通常の取り立て等ではお目にかからない金額ですね。 たとえに1000ユーロの家賃ですと4年以上滞納されている場合ですから、なかなか大変なものがありますね。

     

  • どんな時に依頼する?
  • アパートに入居するときに現状明細書の作成をしますが、時々不埒な大家さんがいて、だいぶ古びたカーペットや壁を新品同様に言う人がいます。そんな時には意見が一致しませんから、執達吏に現状明細書の作成を依頼します。 これは大家さんあるいは借家人のどちらが依頼しても構いません。

    料金は、

    50平方メートル以下のアパートの場合で、110ユーロ。

    50から150平方メートルのアパートで、128.70ユーロ 。

    150平方メートル以上の場合で、193.05ユーロ。

    これに出張費が、7.67ユーロ、 召喚の手紙の費用が、15.02ユーロ、TVAが20%、 見積もり課税が14.89ユーロ。

    ここで少々面白い点は、大家さんと賃借人の間で話し合いで現状明細ができ、執達吏がそれを証明書として作成するという場合には執達吏の料金は自由に決められますが、この現状が係争の的になっている時には執達吏の料金は規制されています。

    こうして話し合いで現状明細ができる時には大家と借家人が執達吏の料金をシエアすることもできますが、この場合には、大家以上の金額を借家人が支払うことは認められていません。

    また、アパートの大きさで計算して、1平方メートル当たり3ユーロ以上になってはいけないとされています。 例えば25平方メートルのアパートに入る時には、この現状明細作成の執達吏の費用が200ユーロとすると、借家人の負担分は75ユーロを超えてはならないということになります。

     

    家賃の滞納の時には、執達吏の料金は、金額に依存します。 滞納されている家賃及び諸費用の支払い命令を執達吏が作成して引き渡す場合には、滞納金額が、1280ユーロ以下の場合には、25.74ユーロ、それ以上の場合には倍額となります。

    この料金のほかに訴訟費用として金額に応じて次の料金が加わります。

    滞納金額 訴訟費用
    304ユーロ以下 5.64%
    305から912ユーロ 2.82%
    913から3040ユーロ 1.41%
    3040ユーロ超 0.28%

     

    これが実際に裁判所へ借家人を召喚して立ち退き命令を出してもらうとなると費用が急速に増えます。

    たとえ裁判所で強制立ち退きの許可を得ても、実際に借家人を立ち退かせるためには県庁に通知するなど多くの手続きが必要になるためにずいぶんと時間がかかります。ということは執達吏の費用もだいぶ増えることになります。

    アパートの隣人の騒音がうるさくて眠れないという時に執達吏に調書を作成してもらうとかあるいはアパートの工事をする前に現状明細を執達吏に作成してもらうということは料金は自由です。

     

    ※情報は掲載時点のものです。また、あくまで一般論であり、背景の異なる個別のケースでは該当しない場合もあります。最新の情報やお客様のケースにあった情報につきましてはお問合せください。

     


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