フランスにおける隣家の枝降ろしに関する法律

日本人の多くはパリをはじめとする街中に住んでいて、隣家の庭に生えている木の枝が自分の家の庭に侵入してきて困るということは少ないのですが、これからは日本人も次第に田舎家を苦人が増えてくることでしょうから、そんな問題も起きてくると思います。 フランスにおける隣家の枝降ろしに関する法律についてご紹介します。

 

  • 民法第673条
  • 民法の第673条に隣家から侵入してくる枝や灌木などは隣人に要求して切らせることができると、この点についてははっきりしています。

    ただし、この場合にあなたが勝手に切ることはできません。あくまでも隣家の人が切ることが必要です。

    隣家の人があなたの要求に応じない場合には裁判所に隣家の人が進入してくる枝等を切るように命令してもらいます。 この時の管轄の裁判所は、問題となっている木や灌木の存在するところの裁判所です。したがって、パリのに住んでいる人の別荘が地方にあり、そこの木々が問題を起こしている場合には、管轄の裁判所はパリではなくて、別荘のある地方の裁判所です。

    裁判所は、隣人が決められた期日までに切るべき枝等を切らない場合には、あなたが木を切らせて隣人に費用を払わせるように命じることもできます。 この隣人の木などが進入してきたときにそれを切らせるという権利は、時効がありません。

    どういうことかと申しますと、隣人の木等が進入してきても、最初のころはあまり気にならなくて、数年そのままにして放っておいたというような場合にも、気が変わって枝などが進入してきて困るから切ってくれと言っても、隣家の人は「今更なんだ!」とは言えないということです。 あるいは、隣家の家の木が塀を越えて侵入しているのを承知で、家を買った場合にも、隣家の人はあなたが木を切るように要求すれば、そうせざるを得ないということになります。

    したがってこの隣人の木などが侵入してきたときに切らせるというのは、絶対的で不易な権利と言えます。 ただしこれにもいくつかの例外があります。

    たとえば分譲地を買う時などに、その分譲地に植えてある木々について、それが分譲地の自然環境の一部として明確に規定してある場合には、それらが自分の庭に侵入してきても、上記の民法第673条を持ち出して切らせることができません。

    あるいは歴史的建造物に属する建物や公園などに付随する木々の場合には、文化・コミュニケーション省の歴史的建造物担当の課の許可なくしては、裁判所も木々の枝を切るように命じることができません。

     こんな例もあります。

    隣家の数百年になる樫木の枝が自分の家の庭に侵入してきたので、裁判所に訴えて隣家に切るように命令を出してもらおうとした人が、その数百年になる樫木がその町の環境整備の計画の中できちんと配慮されているというので、裁判所は訴えを退けました。 ところが最高裁は、その判決を覆しました。数百年になる樫木が町の環境整備計画の中に入っているという事実だけでは、民法第673条の権利を制限する理由としては充分ではないというのです。 この齢数百年の樫木が歴史的記念物として登録されていれば、裁判の結果は違っていたといえます。

     

    ※情報は掲載時点のものです。また、あくまで一般論であり、背景の異なる個別のケースでは該当しない場合もあります。最新の情報やお客様のケースにあった情報につきましてはお問合せください。

     


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