フランスにおいて公証人 (Notaire) と問題のあったとき

  • 公証人の義務と責任
  • 公証人 (Notaire) のところで売買契約も済ませ、さあこれで待望の家が建てられると喜んでいたら、その土地が実は、農業をやる場合に限って家を建てることが可能という条件がついていることがあとで分かって、困ったなどということも時々起こります。

    公証人は担当した売買の件について、当事者の目的にきちんとあった売買が出来るように助言する義務があります。これは公証人が売買契約等に一切売買の結果から生ずることに関しては責任はないという項目を付け加えていても、その項目自体が無効で公証人は責任があります。

    更にあなたがあなたの弁護士や公証人の助言を受けていても、それには関係なく売買を担当した公証人はあなたに対して責任があります。

    あなたが公証人の助言が不適切であったことを発見してから10年の間あなたは公証人の責任を問うことが出来ます。

     

  • 手続きの流れ
  • やるべき手続きは下記の如くです。

    (1)通知と面会

    まず、公証人に対して書留で助言が不適切であったこと、そのために起きた不都合な結果、そして出来たら具体的な数値で起きた損害を通知します。その後、公証人に直接面会して損害賠償等の件を話し合うように提案します。

    このとき勿論、必要な場合には事件を公証人組合へ訴える覚悟があることをはっきりと伝えます。   

     公証人があなたの満足の行く賠償をした場合はそれで事件は終了です。   

    公証人が売買契約書等の証拠によって、あなたの言う不適切な助言がなくてきちんと助言がなされたことを示した場合は、あなたのほうの不注意ですから、やはり事件は終了です。   

    公証人が不適切な助言を認めたが、賠償金額が十分ではない場合、あるいは、あなたのクレームに対して答えなかった場合は公証人組合のほうへ訴えることになります。

    (2)公証人組合にクレームを提出

    公証人組合 (Chambre départementale des notaires) が自分の地区の公証人の職業上のクレームについて管轄です。問題となっている公証人の地区の公証人組合の会長にあてて受領証つきの書留でクレームを送ります。同時に公証人へ送った書留のコピーも同封します。    

    会長は事情聴取の為に問題の公証人を召喚します。場合によってはあなたから事情を聴取するためにあなたも召喚します。あなたが召喚されたら、あなたは弁護士を同伴することが出来ます。    

    公証人組合が公証人には落ち度がなかったと判定、あるいは落ち度があったので公証人に公証人組合の保険機構を通じて賠償するように勧告(ただし、公証人はこの勧告に従う義務はない)し、あなたもその結果に満足すれば事件は終了です。

    さもなくば次の法的手段に訴えます。    

    ▶公証人組合が事件を懲罰委員会へまわす場合。

    懲罰委員会は戒告から罷免にいたる罰則を決めます。この場合懲罰委員会はあなたへの賠償については公証人を罰することは出来ません。あるいは公証人組合が直接事件を大審院のほうへ送ることもあります。この懲罰委員会の結果についてはあなたのほうへ報告される義務はありません。また結果について不服の申し立てをあなたがすることは出来ません。    

    懲罰委員会の結果があなたに知らされようとなかろうと、いずれにせよ、賠償問題については裁判所のほうへ訴えることになります。

    3)裁判所への提訴    

    裁判には二通りあります。

    一つは、検事あるいは懲罰委員会の委員長が大審院へ事件をまわします。この場合、あなたも賠償請求を同時にします。    

    二つ目には、あなたが民法上の責任問題として訴えます。

    この場合賠償金が4000ユーロ以下の場合は家庭裁判所 (juge de proximité)、10000ユーロ以内の場合は簡易裁判所 (Tribunal d'Instance)、それ以上あるいは金額が決まっていない場合は大審院 (Tribunal de Grande Instance) となります。    

    ▶公証人の落ち度が認められなかったかあるいは不十分な賠償金が決まった場合。

    それであきらめて終了するか、不服申し立てをする。 不服申し立ては、4000ユーロ以下の場合は、家庭裁判所が最終審理ですから、直接最高裁判所 (Cour de Cassation) へやります。4000ユーロ以上の場合は、控訴院 (Cour d'Appel) へします。    

    ▶公証人の落ち度が認められて、あなたに満足の行く賠償金が決まった場合。

    受領証つきの書留で公証人に支払いの要求をします。このときに同時に、公証人組合の補償組織の会長にも同じく受領証つきの書留で公証人へ送った支払い請求のコピーを送ります。        

    公証人は一ヶ月以内にあなたに支払いを済ませる義務があります。それが済ませられない場合にはあなたが直接、公証人相互補償組合 (Caisse Régionale de Garantie) のほうへ請求すれば金額のいかんにかかわらず支払ってくれます。

    というのは公証人の業務上に落ち度による賠償については公証人相互補償組合が金銭的なカバーをすることになっているのです。

    金額によって地域の補償組合 (Caisse Régionale de Garantie) 、全国の補償組合 (Caisse Nationale de Garantie) それでもだめなら公証人全員が負担して払うことになっています。

     

    ※情報は掲載時点のものです。また、あくまで一般論であり、背景の異なる個別のケースでは該当しない場合もあります。最新の情報やお客様のケースにあった情報につきましてはお問合せください。

     


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