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フランスにおける不動産の valeur vénale について

フランスにおける不動産の valeur vénale についてご説明します。

 

  • 概要
  • 不動産の valeur vénale という概念については、はっきりとした法的な規定が存在しません。しかし、税務署はこの不動産の valeur vénale に従って資産税 (ISF・・・Impôt de solidarité sur la fortune) 、贈与税 (droits de donation) あるいは相続税 (droits de succession) を計算して課してきます。

     

    もちろんあなたが低すぎる価値を申告すれば税務署は税務署の評価額を基に課税しなおしてきます。 それでは、この不動産の金銭的価値とは何かということです。目安は不動産をその値段で売ることのできる金額といえます。

    不動産の金銭的価値 (valeur vénale) はこの不動産が持ち主を変えるときに課される税(売買、贈与、相続税等々)および資産税を計算するときに基礎となるものです。したがって正当に評価することは大変大切です。過小評価すれば、税務署が独自に評価して追徴金を課してきます。

    法的には正確な定義がありませんから、多くの判例では市場で常識的に得られる価格としていることが多いようです。

     

  • 税務署との紛争が起きたときは
  • 税務署との間にこの不動産の金銭的価格について紛争の起きた時には、税務署の方が自分の主張する価格の方が正当であることを証明する必要があります。 評価額は同じような条件の不動産を比較することによって決められます。したがって税務署が一般的な統計をもとに追徴金を課してきた場合には、根拠のないものとして不服の申し立てをする方がよいでしょう。

    逆に税務署が近隣にある同じような条件の不動産の価格をもとにして追徴金を課してきた場合には、あなたの方に誤りがあると思って慎重に検討する必要があります。 税務署は追徴金を課してくる場合には、原則として比較の対象となった不動産を通知することになっています。

    特殊な地にあるお城のように比較してその金銭的価値を決めることが不可能な場合には、その特殊な事情を考慮して税務署の方も評価してきます。

    問題が起きた場合には不動産の専門家と相談して対処するとよいでしょう。

    税務署は税が課されることになる時点での不動産評価額によらなくてはなりません。したがって、たとえばあなたが4年前に買った不動産を子供に贈与した時の贈与税を決めるのに、税務署はこの4年前の購入価格に基づくことはできません。また、逆に税の派生する事由の生じる時点よりも後に起こった売買をもとにして追徴金を課してくることもまず裁判所が認めません。

     

  • アパートが占有されている時には
  • アパートが誰かに占有されているときには、その不動産の金銭的価値を減額することができます。税務署も裁判所も原則としてこの減額を認めます。どれくらい減額が可能かということは一般論では言えませんから、10から40%と考えればよいでしょう。

    Scellier などの投資促進制度の対象となっている場合にはいかなる減額もすることができません。

    アパートが占有されている場合といっても、持ち主自身が住んでいる場合は少し複雑です。 持ち主が住んでいる場合は、原則としてその不動産の金銭的価値はだれも住んでいない場合と同じです。 

    ISFの枠内で資産を計算するときには、アパートが主なる住居の場合には30%の控除が認められています。 別荘の場合にはこの控除は認められません。

     

  • 相続
  • 相続の場合、死亡した持ち主がそこに住んでいてその同じ日に残された夫あるいは妻、PACSのパートナー、未成年の子供、あるいは保護下にあるまたは障碍者の成年の子が住んでいるならば、金銭的価値の20%の控除があります。

    次に、用益権を保存したまま、不動産を贈与する場合には、用益権者がその不動産に住んでいる場合に、その不動産の金銭的価値がどれくらいかということについては、議論が分かれます。 空有権のみの不動産価格については、用益権がない場合ということですでに減額されていますから、税務署はそれ以上の減額の必要はないと考えます。

    しかし、用益権者がそこに住んでいる場合に、さらなる控除の対象となるという裁判所の判決もあります。 不動産の金銭的価値というのは、市場でその不動産がどれくらいで売れるかということで決まりますから、その価値を減少させるすべての要素を考慮する必要があります。

    不動産が不分割の状態の場合には控除の対象となります。ただし、不分割の状態が相続あるいは贈与の結果である場合には、贈与税あるいは相続税の申告においては控除の対象にはなりません。 この税務署の規定も最近は判例によって覆されつつあります。

    同様の場合に相続人が20%その価値を減額して申告することを認めた判決が出ています。

    次のような例もあります。

    両親が空有権を子供たちに与えた場合に、贈与税の計算において不動産価格を評価するときにこの不分割の条件を考慮するべきであるという判決が出ています。

    不動産が用益権者と空有権者の間に分割されているときには、一般的にその不動産の価値は減額して考えます。 この場合に、ISFの申告は用益権者がすることになっています。

    ところがこの場合に評価額を減額することを認めない判決が出ています。裁判所は税法の885条のGによって判決を出しています。 885条のGというのは、用益権のある不動産は用益権者の資産として数え、その価格は通常の所有権のある場合の価格に準ずるというものです。

     

    ※情報は掲載時点のものです。また、あくまで一般論であり、背景の異なる個別のケースでは該当しない場合もあります。最新の情報やお客様のケースにあった情報につきましてはお問合せください。

     


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