フランスにおける夫婦の財産制度 (Communauté légale) について|フランスでの成功のコツ:生活編TOP|レポート|コクボコミュニケーション―日本・欧州・アフリカでのあなたの成功のパートナー

フランスにおける夫婦の財産制度 (Communauté légale) について

フランスでは結婚したときに特に財産制度に規定をしなければ、自動的にcommunauté réduite aux acquêts とみなされます。これは、結婚前に各々がもっていた財産は各自の所有として、結婚後に得たものは二人の共有財産とするものです。ただし結婚後でも遺産相続・譲渡・遺言によって得たものは、それを得た本人だけの財産とみなされます。この辺は結構デリケートです。以下に説明します。

 

  • さまざまなケース
  • たとえば弁護士をしていた人が結婚して夫婦で営業をしていて後日離婚することになったときに、奥さんが顧客など弁護士としての資産の半分は自分のものであると主張したのですが、裁判所は、結婚前から存在していた顧客層は夫の固有財産であるとしました。

    こんな例もあります。

    夫が結婚前から持っていた不動産が立ち退きで国に収容されて補償金を得たときに妻が結婚後に得たお金だから半分は自分のものと主張したことに対して、裁判所は、得られたお金は夫の固有財産の対価であるから夫のものであるとしました。

    妻の持っている土地の上に夫婦で協力して家を建てた場合にどうなるか? この場合には自動的に建てられた家は妻の名義になります。もちろん妻は夫に対して金銭的に補償する義務が生じますが家の名義はあくまでも妻のものです。

    もちろん結婚後に得たものでもその性質上持ち主の固有のものであると考えられるものもあります。衣服・毛皮のコート・贈り物などですね。

    事故などで得た補償金もこれは本人だけの財産になります。

    上記の家の場合とは逆にたとえば結婚後に夫が自分のお金で家を買った場合でもこの家は夫婦の共有財産とみなされます。もちろんこの場合妻は金銭的に夫に補償をする義務が派生しますが、あくまでも家は夫婦の共有財産です。

    同様に銀行の口座も結婚後はたとえ共通の口座ではなくて一方の名前でもそれは共有財産とみなされますから気をつける必要があります。もちろんその口座に入っている金額が結婚前からのものであるとか、遺産相続のものであるとか一方に属することがきちんと証明できる場合は別です。

    結婚後は給与や売り上げ等の収入も共有財産とみなされます。解雇の補償金も共有財産とみなされます。 各自が別々に持っている不動産からの不動産収入も共有財産になります。これは片方が固有にもっている会社から得られる収入についても同じことです。

    夫婦の一方が固有資産を使って不動産を買えば、売買契約の中でその旨が明記してない場合には、不動産は共有財産になります。ただし一方の財産を使って購入したことが証明できる場合には他方はその補償をする義務が生じます。従って離婚等で財産を再び分割するときにはそれらのことも考慮してなされます。

    夫婦はその結婚生活のいかなるときにも夫婦の財産制度を変更することができます。ただしその変更は子供たちに通知することが必要で、子供たちはそれに反対することができます。

    たとえば子供たちが成長してもう金銭的に親の援助を必要としなくなったときに、夫婦が配偶者を保護するために財産制度を communauté universelle に変更してすべての財産を共有することはよくあることです。

    逆に夫がほかのところで子供を作ってしまった場合などは、妻を保護するためには、communauté universelle から séparation des biens へ移ったほうがよい場合もあります。

    前妻の子が父親が亡くなったときに、自分の知らない間に新しい夫婦がcommunauté universelle に変更をしていたので、その通知をされていなかったために反対をすることができなかったとしてその変更の無効を裁判所に申し立てて認められました。

    親が再婚して新しいカップルの間で communauté universelle の制度を採用しさらに片方の死亡後は生き残ったほうに夫婦の財産のすべてが残されるという形 (attribution de l'intégrarité du patrimoine au conjoint survivant) にしますと、前の結婚のときにできた子供は遺産相続の点で大変不利になります。

    この場合には、裁判を起こすことによって、遺産保留分ということで分配を要求することができます。

    この場合に前の結婚でできた子供が新しいカップルに養子縁組をすればそういった問題は起こらなくなります。

     

    ※情報は掲載時点のものです。また、あくまで一般論であり、背景の異なる個別のケースでは該当しない場合もあります。最新の情報やお客様のケースにあった情報につきましてはお問合せください。

     


    --フランスでの成功のコツ:生活編TOPへ--

     


    © 1990-2018 KOKUBO Communication all rights reserved.