フランスの住宅保険 (assurance multi-risque) と民事責任 (responsabilité civile)

住宅保険(Assurance multirisque habitation)は義務ですから、アパートを借りるときに誰でも入っているはずです。 ところがこの住宅保険(assurance multirisque habitation)にたいていは民事責任保険(assurance responsabilité civile)が組み込まれていることを知らない人が多いので以下に説明しておきます。

ただし、自動的に組み込まれるということではありませんので、自分の住宅保険(assurance multirisque habitation)に組み込まれているか確認することが必要です。

 

  • 概要
  • 住宅保険(assurance multirisque habitation)は主に次の5項目についての保険です。

    (1)盗難

    (2)水による被害

    (3)火事

    (4)風水害

    (5)天災

    そして上記の家長としての民事責任保険がたいていは組み込まれています。これは本人あるいは家族あるいは家事手伝いの人あるいは動物が不注意等により第三者に被害を与えたときにその被害者に支払われる保険です。

    人身および物的被害に対しては全面的に保険が利きます。これは夏休み中も含めて一年中且つ家の内外の両方で有効です。

    しかし故意になされた事故あるいは自動車事故あるいは職業活動中あるいはスポーツ競技中における事故についてはカバーされません。

    したがってこれらの場合には別に保険をかける必要があります。 また自分の不注意による事故で受けた自分の被害についてはこの保険ではカバーできません。

     

  • 住宅保険
  • それでは、住宅保険について詳しくみていきます。

    *盗難   

    アパート内での盗難についてカバーされます。盗難を成立させるためには、鍵など入り口を壊して入る、偽の鍵を使う、警察や電気メーター係りを偽るなどの策略あるいは暴力などがあることが必要です。

    盗まれたものと同時に壊された扉や盗難防止装置などの修理も保険の対象です。 この場合に保険の契約条項に強化扉を使うとか盗難防止ブザーを使うとかの条項がある場合にはその条項が守られていないと保険は降りませんから注意が必要です。

    現金については原則として保険はおりません。 また、日本に住んでいて、時々フランスへ来たときにすむという場合はその旨を付け加えた条項が必要です。

     

    *水による被害   

    水による事故で自分のアパート内のものおよび近隣に被害のあった場合は保険がおります。ただしこの場合も、異常に古くなった配管が原因という場合には保険が降りないことがあるので注意が必要です。いずれにせよ不備な配管の補修・修理は保険に含まれません。

     

    *火事   

    火事が起きた場合、火による被害と同時に煙や消火のために起きた被害も保険の対象になります。隣家に被害が及べば隣家の被害も保険の対象になります。

     

    *風水害   

    風水害・雨漏り等による被害も保険の対象になります。ただし、家の外にあるもの、垣根等は保険の対象にはなりません。

     

    *天災   

    風水害と違い国による天災の指定のあったときにのみ保険の対象となります。

    保険料についてはなんら規則はなく保険会社が自由に決めていますから、数社について比較してみるとよいでしょう。

    保険料決定の要素は、アパートの大きさと部屋数、保険の対象となるものの評価額およびアパートのある地区そして過去に何度事故があったかなどです。

    保険の対象となるものの評価額を低くしておけば保険料は安くなりますが、事故のあった場合保険会社は評価額以上は絶対に払い戻してくれませんから注意してください。

    また、払い戻し額は事故のあった時点でのものの評価額ですから、電気製品やPCなどは一年ごとに15から25%は低くなると思っていたほうがよいでしょう。

    保険は通常一年更新ですから、保険会社は毎年保険料を上げることもできます。その代わり我々の方も、更新時の2ヶ月以上前に解約を伝えれば、別の会社にすることもできます。

     

  • 事故があった場合
  • 事故を知った日から5日以内に届け出ることが義務つけられています。ただし、盗難の場合はこれが2日以内に短縮、天災の場合は天災と指定された日から10日いないと延長されます。

    この日数の数え方は、例えば事故を知った日から5日以内という場合、スタートする時点は事故を知った日の翌日の午前0時です。そして土曜・日曜・休日は日数には数えません。

    こうして事故の届出を期日内にしてから、今度は契約書に指定してある期日内(たいていは15日から30日です)に被害と事故の明細を保険会社に伝えます。このとき被害にあったものについて買った日付けおよび金額の明細とともに領収書をつけて出しますから、日ごろから事故のときに保険の対象としたいものについては領収書を保存するようにするとよいでしょう。

    また、保険会社によっては鍵を壊して入った証拠として壊れた鍵を見せてくれなどというところもありますから、保険の処理が終わるまで、扉の修理をしたときに壊された鍵などを保存しておくとよいでしょう。

    損害の補償については被害のあった時点の評価額に従って補償額を提示してきますから、不服があるときには話し合いをして場合によっては自分のほうから鑑定人を出して再評価させたりします。そしてどうしても話し合いがまとまらないときには裁判に持ち込むことになります。

    上記の補償額については、保険の契約によっては被害者負担分(Franchise)―要するにその金額内は自分で負担せよということです―が決められているものがありますので契約をするときには注意してください。

     

    蛇足ですが・・・ 銀行へ新しい口座を開きに行くと係りの人が親切にいろいろと便利な保険に入るようにいってくれますが、そして月々にするとたいした金額ではないのでついつい入らされてしまうことが多いのですが、何箇所も保険に入っていても事故にあったときその全保険会社から払い戻しを受けられるわけではありませんので、念のため・・・

     

    ※情報は掲載時点のものです。また、あくまで一般論であり、背景の異なる個別のケースでは該当しない場合もあります。最新の情報やお客様のケースにあった情報につきましてはお問合せください。

     


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