フランスでの有限会社の持分の譲渡と買収について

フランスでの有限会社の持分の譲渡と買収についてご説明します。

 

  • 持分を譲渡するには
  • 一般論として、有限会社の持分を会社の関係にない第三者に譲渡する場合には、出資者の過半数で且つそれらの出資の合計が50%を超えている人たちによる同意が必要です。

    この議決は一般論で、会社の定款によって、4分の3以上と言うようなより強い過半数の条件にすることが出来ます。

    自分の持分を譲渡することに決めた時は、会社と出資者の全員に執達吏によってあるいは受領証明付きの書留によりその旨通知します。この通知受領後8日以内に取締役はこの持分の譲渡に関して特別総会を招集します。ただし定款で、取締役がこの件について書面によって出資者の意見を求めることが許されていれば、特別総会を招集することなく書面で済ますことも出来ます。

    持分を譲渡する当人もこの決定の投票に参加します。一般論あるいは定款で決められたとおりの条件で同意が得られれば、譲渡は許可されたことになります。 あるいは、譲渡の通知後3ヶ月たっても出資者たちの決定がない場合には、無言の同意があったものとみなされます。

     

  • 譲渡を拒否された場合
  • 譲渡の許可が拒否された場合、譲渡する人が2年以上持分をもっていた場合には、他の出資者達は自分達で買い取るか自分達の決めた第三者に買い取らせるかあるいは会社が買い取るようにする必要があります。 この譲渡の許可が拒否された場合には、その決定の日から3ヶ月以内に上記の買取をする必要があります。さもないと3ヶ月が過ぎた時から、自動的に譲渡が同意されたものとみなされます。

    この持分の売買が行われた時は、それに伴う会社の資本金の変化や出資者の変化などを考慮して定款の変更をして届け出ることになります。

     

  • 傍系親族に譲渡する場合
  • さて特殊なケースとして、自分の伴侶あるいは遺産相続人(先祖あるいは子孫)に譲渡する場合には、一般論としては、この同意を必要としません。ただし定款で別のように定めることは出来ます。定款で条件をつける場合には、この伴侶あるいは遺産相続人への譲渡の条件は一般の第三者への譲渡の条件より強くすることはできません。 これらの持分の譲渡に関しては、傍系親族は一般の第三者と同じ扱いになります。

    出資者同士の間での持分の売買は一般論としては自由です。ただしこの場合も定款で別途に定めることは出来ます。

    出資者の死亡の場合には、残った出資者あるいは遺産相続人あるいは伴侶を通して会社は存続すると決めておくことが出来ます。この場合に、会社存続のための商法上の条件を満たさなくなった場合には速やかに条件を満たすように必要な措置をとることが要求されます。

     

  • 譲渡の証書
  • 譲渡の証書は譲渡する本人が作成するかその公証人に作成させ、出資者全員に配布します。この証書には次のことが書き込まれていなくてはいけません。

    *関係者の氏名と住所

    *譲渡される持分の詳細(設立時からの持分かすでに前に譲渡されたことのあるものかについても記載します)

    *譲渡の金額と支払い方法

    *譲渡する人の同意と共有財産制度で結婚している場合には伴侶の同意。この伴侶の同意がないと、伴侶はその売買を知った日から2年以内にいつでもその売買の無効を要求できます。

    この譲渡の時にあまりに低い価格ですと税務署がクレームをつけることがあります。

     

  • 譲渡が終わったら
  • 譲渡が終わってから、妨訴抗弁できるように次の手続きをするように決められています。

    (1)売買が私署証書による場合には、税務署へ登記します。公証人を通す場合にはこの必要はありません。

    (2)譲渡を会社へ執達吏を通して通知します。この場合に、直接本人が会社へ持参してもかまいません。そのときには、取締役に譲渡証書が会社へ提出されたという証書を作ってもらいます。

    (3)譲渡証書を2通商事裁判所の秘書課へ提出します。

     

  • 税とキャピタルゲイン
  • 譲渡する当人が取締役の時はそれによって取締役の解任となる時には、新しい取締役の選任とそれに必要な手続きをすることになります。

    新しく持分を取得した人は取得税を払います。この税は取得額の3%です。ただし実質価格の方が高い場合にはそれを元にしてこの取得税をかけられます。この税の計算に当たっては、取得持分の割合に応じて(23000ユーロ*取得持分の割合)控除があります。

    例えば資本金が200株に分けられているとして、そのうちの50株を買い取ったとします。1株250ユーロとすると、買取価格は12500ユーロとなります。取得持分は全体の4分の1ですから、税控除は23000*(1/4)=5750ユーロです。

    したがって5750ユーロをオーバーしている取得額分(12500-5750=6750)の3%が取得税となります。6750*3%=202,50ユーロ

    持分の譲渡の時に得られるキャピタルゲインについては、譲渡する経営者が引退するために譲渡する時は、5年以上経営に参加している時は5年を超える一年につき3分の1の控除があります。したがって、8年以上経営をしていれば課税されないことになります。ただしこれには条件があって、経営者中に通常の報酬であったこと、25%以上の持分であったこと、持分のすべての譲渡あるいは投票権の50%以上にわたる持分の譲渡であることです。

    譲渡が伴侶あるいは祖先あるいは遺産相続人になされる時は、過去5年間に伴侶あるいは祖先あるいは遺産相続人と合わせて25%以上の持分があった場合には、その譲渡のキャピタルゲインは課税されません。

    持分を買い取った人はその買い取った時点の営業年度から利益の配分あるいは損失の負担をすることになります。したがって営業年度の半ばで買い取れば、買い取った時点以前の営業について、利益の配分や損失の負担を負うことになります。

    買い取る場合には譲渡人から資産と負債に関する保証を受け取っておくとよいでしょう。これは持分を譲渡する出資者が資産や負債に関する会計や決算の数値が正確であることを保証するものです。したがって、譲渡後3年以内にこれらの数値が不正確であることが分かった場合には、譲渡した人は買い取った人に補償をすることになります。

    また、譲渡の時に、譲渡する出資者は一定期間一定地域内では競合する営業をしないという条件をつけることもよくあります。

     

    ※情報は掲載時点のものです。また、あくまで一般論であり、背景の異なる個別のケースでは該当しない場合もあります。最新の情報やお客様のケースにあった情報につきましてはお問合せください。

     


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