フランスにおける家賃値上げの指数について

フランスにおける家賃値上げの指数について概要をご説明します。フランスで不動産経営をしている方、これから目指す方には特に理解しておくことをおススメします。また、不当に家賃の値上げを請求された場合にも役立つ知識です。

 

  • 概要
  • 商業契約でも住居でも、賃貸契約は一つの決められた指数に従って家賃を定期的に値上げするように決めることができます。

    この指数が決められたら、スライド方式の条項を正しく契約書に書き込んでそれにしたがって家賃の値上げをします。

    住居も商業上の賃貸も毎年家賃の更改をすることができます。これは契約書で規定した日にすることもできますし、毎年の契約日にすることもできます。

    一昔前はこの指数としてICC (L'indice du coût de la construction) が使われることが多かったのですが、この指数が大きく変動したために借家人を保護するためにより安定した指数を立法府が作りました。

    主なる住居となっている借家人を保護するために住居の家賃のスライド制は厳格に規制された枠内でしかすることができません。

     

  • 主たる住居かどうか
  • 家具なしのアパートおよび家具付きだが借家人の主たる住居である場合には家賃の値上げは  IRL (L'indice de référence des loyers) を超えることはできません。

    理論的には IRL 以外の指数を選択することができますが、IRL 以上の値上げをすることができませんから、結局 IRL を選択しても同じことです。

    借家人が主たる住居としていない家具付きアパートの場合にはこの制限が存在しませんから、例えば ICC を指数として選ぶことができます。

     

  • 商業用の賃貸契約の場合
  • 商業用の賃貸契約では一般に ILC (L'indice des loyers commerciaux) が使われることが一般的です。ただし、事務所用の場所で行われる商業はこの枠内ではありません。

    2011年5月11日の法は Ilat (L'indice des loyers d'activité tertiaire) を作りました。これは上記の ILC の指数の適用されない商業分野(事務所、倉庫、工業分野等々)及び自由業に適用されます。

     

  • révision と revalorisation
  • フランス語では家賃の値上げが、 révision と revalorisation の二つの語で表現されますが、この二つは全く違った規則によって規制されています。

    Révision は上記で説明したように適用される指数に従って契約で決められた日に自動的に値上げされます。

    一方Revalorisation の方は最初に契約で決められた家賃が市場の一般的な家賃に比べて異常に低い場合に値上げされるものです。

    これはもちろん自動的ではなく、大家と借家人の間に合意が得られない場合には裁判所の判決により決められます。一般的には契約の更新時に行われることが多いのですが、特に契約の更新時にやらなくてはいけないという規定はありません。

     

  • 契約書
  • 契約書を作るときには指数に従って家賃を毎年値上げするという条項を付け加えておくことを忘れないことが大切です。さもないと家賃は契約期間中契約時に決められた家賃で固定されたままです。

    大家は勝手に家賃を値上げすることは許されません。値上げのためには契約の更新時まで待つことが必要になります。

    契約書には適用される指数、値上げの日、計算方法を明記します。

    なお大家さんとしては、指数が減少した場合には適用されないということを明記しておくことが勧められます。さもないと指数が減少した時に家賃の値下げを要求してくる借家人が出てくる可能性があります。

     

  • スライド制の条項
  • 商業上の賃貸については、スライド制の条項は指数の上昇と減少の両方について家賃の変化を規定するように決められています。 下記にいくつかスライド制の条項のモデルを上げておきます。

    *家具なしの場合。

    Le loyer sera révisé chaque année à la date anniversaire du bail, en fonction de la variation à la hausse de l'indice de référence des loyers (IRL) publié par l'INSEE.

    La révision prendra effet automatiquement et de plein droit à compter de la date de révision, sans que le bailleur soit tenu d'en informer préalablement le locataire.

    L'indice de référence est celui du ...trimestre 20...dont la valeur est:

     

    *家具付きの場合。

     Le loyer sera révisé chaque année à la date anniversaire du bail, en fonction de la variation à la hausse de l'indice de référence des loyers (IRL) publié par l'INSEE.

    あるいは

    Le loyer sera révisé chaque année à la date anniversaire du bail, en fonction de l'indice du coût de la construction (ICC) publié par l'INSEE.

    La révision prendra effet automatiquement et de plein droit à compter de la date de révision, sans que le bailleur soit tenu d'en informer préalablement le locataire.

    L'indice de référence est celui du ...trimestre 20...dont la valeur est:

     

    *商業契約の場合。

    Clause d'échelle mobile:

    Le loyer sera indexé chaque année à la date anniversaire du bail selon l'évolution en plus ou en mois de l'indice du coût de la construction (ICC) ・・・

    あるいはここで

    l'indice des loyers commerciaux (ILC) や l'indice des loyers d'activité tertiaire (Ilat) を使うこともできます。・・・publié trimestrement par l'INSEE. L'indexation annuelle s'applique automatiquement et sans qu'il soit besoin d'accomplir aucune formalité.

    L'indice de référence est celui du ...tri,estre 20... dont la valeur est :

    L'indice de révision sera celui du même trimestre de chaque année suivante. Si pour une raison quelconque, la publication de cet indice venait à cesser au cours du bail, les parties conviennent qu'il sera alors application de l'indice de remplacement.

     

    こうして契約書に家賃の値上げの方法が規定されると、家賃は自動的に値上げされますが、実際上は大家が計算をして新しい家賃を賃借人に通知します。

    計算式は、

    (新しい家賃)=(前の家賃)*(新しい指数)/(前回の指数)

     

  • 家賃の値上げを忘れた時
  • 大家さんが指数に従って家賃の値上げをしなかったということは、家賃の値上げを放棄したことにはなりません。ただし、5年が支払いの時効ですから、それ以前にさかのぼって請求することはできません。5年以内については、いつでもさかのぼって請求してかまいません。

    契約書にスライド制で家賃の値上げが決められているときには、大家は借家人に値上げを通知する必要はなく、一方的に値上げをしてかまいません。

    しかしながら、親切心・礼儀あるいは人間関係を良好に保ってゆくために、一応通知したほうが良いですね。

     

    ※情報は掲載時点のものです。また、あくまで一般論であり、背景の異なる個別のケースでは該当しない場合もあります。最新の情報やお客様のケースにあった情報につきましてはお問合せください。

     


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