フランスでの税務調査 (Vérification de comptabilité) とその対応

フランスでの税務調査 (Vérification de comptabilité) とその対応についてご説明します。

 

  • 概要
  • 刑事事件や政治問題になるようなものは別にして、普通に税務調査といわれるものは、現場(つまり会社や事務所)で調査担当官 (Vérificateur) が会計関係の書類を調査して、あなたの税務申告が正しいものかを確認するものです。

    これはあなたが、実質申告でも査定による申告でもあるいは会社でも個人営業でも同じです。

    注意する必要があるのは、こうして会社の税務調査がある時はたいてい経営者もその個人の税務状況の調査 (Examen contradictoire de l'ensemble de la situation fiscale personnelle -- ESFP) の対象にされます。

     

  • 時効
  • この調査は特殊な場合を除いては、3年の時効が働きます。

    したがって2018年の申告が調査の対象とされるのは、2021年の12月31日までです。

    特殊な場合にはこの時効が働きませんが、例えばあなたが申告をせずにいたとすると、この場合には6年間にさかのぼって税務調査の対象にされます。

    *時効については、「フランスにおける時効 (prescription) について」の項を参照してください。

    TVAやTAXE PROFESSIONNELLE も同じく3年で時効です。その他の登記税も殆どは3年ですが、これらについても、あなたが登記を怠っていたりすると、10年にさかのぼって税務調査の対象にされます。

    修正課税などの通知を受け取ると、その時点から新しく時効が働き始めます。

    例えば、2007年の申告については、時効が2010年の12月31日ですが、税務署が何らかの形で修正課税を12月31日にしてくると、ここから時効が新しく働き始めますから、2007年の申告でも、ここから3年後の2013年の12月31日まで税務調査の対象となりうるということです。

     

  • 税務調査の流れ
  • 税務署は税務調査を決めますと、まず税務調査の通知を送ってきます。これは普通受領書付きの書留で贈られてきますが、これは義務ではありませんから、担当官が直接手渡しに来るということもありえます。

    いずれにせよ、この税務調査の通知の受領と実際の調査の間には最短2日の期間をおくことになっています。

    この通知は税務調査を受ける納税者の権利と義務について説明した小冊子 (Charte des droits et obligations du contribuable vérifié) を含み、下記の事項についてはっきりと記されていることが必要です。

    *税務調査官が最初に会社や事務所へ現れる日時

    *調査官の連絡先

    *調査の対象となる税(所得税・TVA・TPなどの税の種類と年)

    *調査担当官の上司の名前と連絡先

    *調査担当官との問題が解決できない時に連絡できる部局長の名前と連絡先

    これらのことが守られていないと、税務調査は手続き上の不備から無効となります。

    もっとも通知された段階で無効と騒いでも、相手は手続きをやり直すだけですから意味がありませんが・・・

    ただし、税務署が時効が働くのを避けるために12月も年末になって税務調査の通知を送ってきて、それに手続き上の不備がある場合には、クレームをつけるのを年が明けるまで待ってからやれば、税務調査は手続き上の不備から出来なくなり、再度手続きをやり直して税務調査をやろうとしても、そのときには時遅しで時効になっているというチャンスも稀にはあります。

     

  • 税務調査の期間
  • 税務調査の期間は小企業の場合には3ヶ月以下と決められています。この小企業に当たるのは、

    *商工業の場合には年間売り上げが、783000ユーロ以下

    *サービス業の場合には年間売り上げが、236000ユーロ以下  

    です。

    この税務調査期間というのは、調査担当官が最初に会社や事務所に現れてから、最後に現れた日までの期間のことです。

    したがってその後、調査の結論が通知されてくるのはさらに後になります。

    上記の小企業の場合には調査期間が3ヶ月と制限されていることについてですが、あなたの方の申告漏れで、売り上げが上記の枠内にあり税務署側の主張ではその枠を超える時は、この3ヶ月の期間は適用されません。

    また、税務調査がある時はたいてい過去3年間にさかのぼってなされますが、このときこの3年間のうちの一つでも上記の売り上げの枠を超えていれば、3ヶ月以内という規定は適用されません。

    この3ヶ月の期間が過ぎた後でも調査担当官はあなたの方からのクレーム等を検討するために訪れることは出来ます。

    また、会計上の税務調査がなされる時はたいてい同時に経営者の個人の税務状況の調査 (ESFP) もなされますから、この二つが時期をずれて進行すれば、会社の活動に関係している銀行口座などは、一方の調査期間が過ぎた後でも、再び検査の対象にされることはあります。

    さらに、2008年以降は重要悪質と思われる場合には、この3ヶ月の期間を6ヶ月に出来ることになりました。

    税務調査間との話し合いでこの調査をあなたの会計事務所でやってもらうことも可能です。

    領収書等その他色々な書類がありますから、普通は会社や事務所でやることになります。

    この場合税務調査官は通常の会社の営業時間を指定してきますから、あいにくあなたの会社が休みの場合とかは話し合いで日時を変えてもらいます。(そしてこれらの点については調査官の方も柔軟です。)

    ただし、これは権利ではありませんから、うちは休みなのだからと放置しておくと、税務調査妨害と言うことで罰せられます。

     

  • 各種書類
  • 各種の書類については調査官はコピーをとることはできますが、持ち帰ることはあなたの書面による同意なくしては出来ません。

    またその場合には持ち帰る書類の完全なリストをつくり調査官の署名と共にあなたに残しておきます。

    そしてこれらの書類は調査の終わる日までには返されなくてはいけません。このときに調査官はあなたに受領証を書くことを要求します。

     

  • 税務調査後
  • いったん税務調査が行われて結果が通知された税については二度と税務調査の対象にならないと安心している人がいますが、税務署が何か他の情報源より脱税や申告漏れを発見した場合には、修正課税をすることが出来ます。

    あるいは税務調査後の修正課税で不服申し立てをして裁判になったときに、判事が事実をはっきりさせるために再度の検査を命令することもあります。

    上記の3年の事項についてですが、例えば何かの機材を買ってその減価償却が続いていれば、それが5年前のものであれ、その領収書を見せろといわれることはあります。

     

    ※情報は掲載時点のものです。また、あくまで一般論であり、背景の異なる個別のケースでは該当しない場合もあります。最新の情報やお客様のケースにあった情報につきましてはお問合せください。

     


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