フランスにおける期限付き雇用契約の実情

フランスにおける期限付き雇用契約の実情をご説明します。

 

  • 概要
  • フランスでは被雇用者の88%は正規雇用です。

    しかし不景気も手伝って2000年以来次第に期限付き雇用契約(日本でいう契約社員)で働いている人が増えてきています。2000年から2016年の間にこの数が150万人から400万人に増えています。

    多くの場合には一か月以内の期限付き雇用を繰り返す人が多いのですが、もう一つのタイプは、かつての被雇用者のところで働くシニアというケースです。

    しかし、正規雇用(CDI)か期限付き雇用(CDD)かというのは、単なる選択の問題ではなくて、フランスでは期限付き雇用については労働法等で厳しく規制されていて、正当な理由がない限りこの期限付き雇用をすることはできません。

    内容と形式と手続きをきちんと満たしていない期限付き雇用については、被雇用者が労使裁判所に訴えれば、比較的簡単に正規雇用に転換することを命じられます。

    原則として正規雇用をすることが求められており、この期限付き雇用は例外的な場合にのみ認められています。

    したがって法によって規定されている場合の他はこの期限付き雇用をすることはできません。

    たとえば以下のような場合です。

    *緊急の仕事や例外的な輸出の注文のために一時的に仕事量が増えたとき。

    *産休、病気、研修、有給休暇等で休んでいる社員を一時的に置き換えるため。

    *ブドウの収穫などの季節的な仕事をするため。

    *劇場、ホテル、レストラン、映画製作、教育といった労働協約により期限付き労働契約を用いることが慣習となっている場合。

     

    このほか雇用を促進するために政府の政策として期限付き雇用を進めている場合、あるいは、農業従事者やその配偶者あるいは経営者や被雇用者ではない共同経営者を一時的に置き換える場合などです。

    雇用者はストライキをしている社員を置き換えるために一時的にこの期限付き雇用契約で人を雇うことは禁止されています。あるいは特別に危険を考えられる仕事をさせるためにこの期限付き契約で人を雇うことも禁止されています。

     

    経済的あるいは経営的な理由で解雇をした場合には、その後6か月以内にはこの期限付き契約で人を雇うことができません。

     

  • 期限付き労働契約の種類―期限がはっきりしているもの
  • この期限付き労働契約には二種類あり、一つは期限のはっきりと定義されているもの。もう一つは期限がはっきりと決められていないものです。

    期限のはっきりと決められているものについては18か月以内で自由に期限を決めることができます。そして一度のみ更新が可能です。更新する場合には、二つの期限を合計したものが総計として18か月以内であることが必要です。

    これには二つの例外があります。

     一つは辞職してほかの会社へ移った社員を置き換えるため、あるいは安全の問題上緊急にしなければならない仕事をするために期限付きで人を雇う場合には、この期限は9か月を超えてはならないとされています。

    次の場合にはやはり例外として24か月以内の期限付きの雇用契約を結ぶことができます。

    *国外へ派遣するため。

    *将来廃止される職を辞職した人を置き換えるため。

    *輸出のために一時的な注文をこなすため。

    *政府の失業対策のために認められている期限付き契約のため。

    2014年6月26日までは、目的にはっきりとした期限付き雇用契約で技術者と管理職のためのものは最長36か月の期限付き雇用契約が認められています。

     

  • 期限付き労働契約の種類―期限がはっきりしていないもの
  • 第二の期限付き雇用契約で期限がはっきりと規定してないものというのは、たとえば病気、産休などで休んでいる社員を置き換えるための期限付き雇用契約で、この場合には期限ははっきりとはしていません。

    しかし、最短の期限については契約上で規定されていることが必要で、また置き換えられている社員が出社したときには、この期限付き契約が終わりを告げることが必要です。

    期限付き雇用契約については、書面で契約されており法で決められていることが記述されていることが必要です。

    さもない場合には、この期限付き雇用契約は自動的に正規雇用契約に転換されます。

    この契約書は、契約開始後、被雇用者に二日営業日のちまでには手渡されなくてはいけません。したがって金曜日から働き始めた場合には、火曜日には被雇用者にこの契約書を渡す必要があります。さもない場合には、この期限付き雇用契約も自動的に正規雇用契約に転換されます。

     

  • その他期限付き労働契約で決められていること
  • こうした期限付き雇用契約の場合にも、守秘義務、不当競争の禁止等について言及することは可能です。

    こうした期限付き雇用契約の場合にも、置き換えられた社員と仕事の内容が同じで、資格も同じ場合には、勤続年数による部分の給与を除いては原則として同額の給与を支払うことが必要です。

    また期限付き雇用の社員についても、基本給に付随する各種の手当については、正規雇用の社員と同じ待遇であることが必要です。

    たとえば、交通費の支給や食費の支給は同じ条件であることが必要です。労働組合や協同組合における利点についても同じ条件であることが必要です。

    3か月以上の勤務の後には会社の利益配分等についても、期限付き社員と正規社員との間は同じ条件であることが必要です。

    期限付きの雇用契約についても、試用期間を置くことが認められています。契約期間1週間について1日の割で試用期間を置くことができます。そして6か月以下の期限付き雇用契約の場合には、この試用期間は最長2週間です。

    それ以上に長い期限付き雇用契約については、試用期間は1か月以内です。

     

    ※情報は掲載時点のものです。また、あくまで一般論であり、背景の異なる個別のケースでは該当しない場合もあります。最新の情報やお客様のケースにあった情報につきましてはお問合せください。

     


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