フランスの銀行から借入金をするときの合意事項 (Convenants) に関する注意

起業をしていると資金繰りは大切な仕事のうちの一つです。銀行からの借入金は欠かせない手段の一つですが、最近のように不景気になると、中小企業や個人営業にはなかなか冷たいものがありますから、一生懸命借り入れの交渉をし、借り入れることばかりに注意が行きがちになります。そこで、借り入れの契約の合意事項 (les convenants) を見落としたり、軽く見がちです。

この借り入れの契約書にある一見なんでもないような合意事項 (les clauses "convenants") のために痛い目を見る人が結構おりますので、以下に簡単に注意事項を書きます。

 

  • 借入の際の注意事項
  • この合意事項は大きく分けて次の二つになります。

     第一は借入金をする企業は、各種の金融比を守ることというのがあります。これは企業会計や金融で言う、借金・固有資金の比や借入金・営業黒字の比あるいは実キャッシュ・フロー・金融費用の比などです。これらの比を契約で定義された範囲内に保持するというものです。

    第二は、会社の法的あるいは株主構成などに関する変化、あるいは戦略的計画等について銀行に通知することとか、さらに、他銀行から借入金をする時は前もって契約している銀行の同意を得ることなどというものがあります。

    何とか運転資金を確保しようとかスタート時に苦しい中で頑張っていると借入金の契約を進めている銀行との契約締結にばかり頭が行って、こんな付随的な合意事項などなんでもないという気になってくるものですが、いざと言う時に悔しい思いをしないためにこういった合意事項にもよく注意しておくことです。

    自分の企業と一緒に苦労して歩んでくれる銀行と言うものは殆ど存在しないと思ってもいいといっても過言ではありません。彼らの第一目的は返済金が不払いにならないことですから! これらのなんでもないような合意事項が守られていないということは、あなたにとって苦しい時を通っているということでありますが(ですから、状況を理解して応援してくれる人が必要な時なのです)、それは同時に銀行にとっては貸し出し金が戻ってこないという危険が一番大きい時なのですから!

    こんな時に赤字も認めない借入金は即返済せよなどとやられると、企業は潰れざるを得ません。 この合意事項 (convenants) 違反に対する罰則として書いてあるのは、即全額返済せよです。金に詰まって合意事項が守れなくなるのですからそんなときに数年にわたって返済予定で借り入れた金を即返済せよといわれれば、まず万事休すです。

    勿論そんな状況で他の銀行へ借りに行ってもまず成功しません。 銀行のほうもそれをやれば会社が潰れて貸した金が取り戻せないので、自分から倒産の引き金を引いたりはしませんが、問題は遅かれ早かれ潰れると見限られた時です。こうなると借金の回収は早い者勝ちと言うことになりますから、銀行のほうも合意事項をたてに即返済を要求してくるでしょう。

    まだ見込みがあるとなると、銀行のほうは合意事項違反をたてに、即返済を待ってやるからと言うことで借入金の条件を変えてくるでしょう。金利を上げたり各種の費用を計上してきます。 場合によっては、銀行があなたに現在やっている事業を停止したり、解雇をしたりという経営内容にまで介入してくることもあります。

    借り入れの時にはどこにでも書いてある合意事項と思って注意を払いもしなかった事項の為に銀行があなたの会社の経営に強引に参加してくることになります。 現在契約してある借入金の契約については変更は出来ませんから、以上のようなことも起こり得るという事を知ったうえで対策を立てておくことです。

    もし合意事項違反になりそうならば先手を打って銀行と交渉することです。経営困難が6ヶ月から1年以内に回復できることがはっきり示されれば、たいていの場合銀行はあまり文句を言いません。

    ところが先が見えずに返済が滞ったりすると、銀行が理解を示してくれるとは期待しないほうがよいでしょう。 新しく借入金をする時は注意することです。大企業の借入金とは違いますから、普通は借入金の契約書もあなたの会社の仕事によって出来ているスタンダードな契約書であることが多いのですが、その場合でもすでに書き込んである合意事項どおりである必要は全くなく、金利と同じくこの合意事項も交渉次第で変えることは出来ます。ですから、いくつかの銀行に当たって銀行同士を競争させて自分に有利なものを選ぶべきです。

     

    ※情報は掲載時点のものです。また、あくまで一般論であり、背景の異なる個別のケースでは該当しない場合もあります。最新の情報やお客様のケースにあった情報につきましてはお問合せください。

     


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