フランスにおける転勤事情

日本では比較的簡単に転勤命令が下りますが、フランスでは転勤は社員の同意がなければ会社の一存では決められません。そして転勤を断ることが出世に響いたり、組織内でのネガティブなインパクトにはまずつながらないといえます。

日本とかなり異なるフランスの転勤事情。

フランスにおける労働契約上の転勤についてご説明します。

 

  • 概要
  • まず転勤が要求されるためには労働契約にはっきりと転勤の条項が記載されていることが必要です。

    一時的にミッションで外国へ出張に行く場合などは、この転勤の条項の対象とはなりません。それが定期的に出張が必要な場合でも、こうした場合は転勤の条項の対象とはなりません。

     

    はっきりとした転勤を要求されるためには、転勤の条項がはっきりと労働契約に記載されていることが必要です。

    例えば仕事を実行する上に必要な場合には場所の移動もありうるというようなあいまいなものは、多くの場合に転勤の条項としては判事は認めません。

     

    転勤の条項が有効であるためには、当然被雇用者が受け入れたという事が必要です。

    企業の属する分野別の労働協約でこの転勤という事が義務になっている場合には、労働契約にこの転勤の条項が記載されている必要はありません。しかしこの場合には、被雇用者が、雇用されるときにこの労働協約が存在するという事を通知されていることが必要です。

    この分野別の労働協約ではなくて単に会社の内規で転勤という事が要求されている場合には、被雇用者がその内規に署名をしたというだけで、個々の労働契約に転勤の記載がない場合には、被雇用者に転勤を要求することはできません。

     

    この労働契約に記載される転勤については、地理的な条件についてきちんと定義されていることが必要です。

    例えば被雇用者は国内の全ての場所で働くことが要求されるというような条項は転勤の条項としては無効です。 あるいは被雇用者は今後企業が設置されるすべての地方で働くことを要求されるというような条項も無効です。

     

    被雇用者は企業の顧客である企業のあるところでは働くことを要求されるというものも無効です。将来どんな企業が顧客になるかわかりませんから、定義としては曖昧すぎるという事になります。

    曖昧という事については判事による判断が必ずしも一定していません。

    Oise県の心身障害者の父兄会に勤めている女性が、この協会の内部での転勤を受け入れている契約書については、判事は有効であるとしています。理由は、Oise県という比較的制限されて地区であるという事です。

     

    被雇用者がたとえ同じ企業グループ内でも別の会社で働くことを受け入れているものは転勤の契約としては認められていません。

    例えばルノーグループの全ての企業については可動性を受け入れます、と言うような労働契約書は認められていません。

     

    ※情報は掲載時点のものです。また、あくまで一般論であり、背景の異なる個別のケースでは該当しない場合もあります。最新の情報やお客様のケースにあった情報につきましてはお問合せください。

     


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