フランスの有給休暇について

フランスの企業に就職したりあるいは日本からの転勤でフランス支社で働いていると、フランス人にとっては「神聖」な有給休暇のシステムが意外と複雑で分かりにくいので以下に簡単に説明します。

 

  • 参照期間
  • しばらく前までは参照期間中(原則として6月1日から5月31日)に同一の雇用者の下で1ヶ月以上働くことが必要だったのですが、2008年8月20日の法で、同一の雇用者の下で10日以上働いた場合には有給休暇の権利があることになりました。

    これはパートタイムであろうと資格がなんであろうとすべての社員に適用されます。

    また、派遣社員の場合には、働いた期間の長さがなんであろうと有給休暇補償手当てを受け取る権利があります。

    同様に、期間契約社員の場合も会社の有給休暇のシステムが実際に有給休暇をとることを許さない場合には、やはり有給休暇補償手当てを受け取り権利があります。

    参照期間は前年の6月1日に始まり進行中の年の5月31日に終わります。これは業界の協約や会社の協約により決められている場合には違うことがあります。例えば土木建設業界では4月1日から3月31日となっています。

     

  • 有給休暇の計算
  • 有給休暇の日数の計算は、この参照期間中の労働時時間に対して、1ヶ月につき2.5日の有給休暇として計算します。この場合、下記の理由での欠勤は労働時間として計算します。

    (1)有給期間

    (2)残業等休暇が義務付けられている事由に付随する休暇

    (3)出産あるいは養子等の為の休暇

    (4)職業上の原因による病あるいは事故による欠勤

    (5)国防準備のための召集

    (6)研修のための期間

    (7)協約によって上記の事由とみなされる欠勤

    (8)労働法L.3122-2にしたがって協約で決められた休日

    1ヶ月につき2.5日ですから、合計した時に端数が出ることがありますが、端数は繰り上げます。例えば、26.5日になれば、これは27日となります。

    また、会社の経営上の理由で一時休業があった場合には、この期間は普通に働いたと考えて有給休暇の計算に繰り込みます。

    有給休暇をとるときですが、特に協約等で決まっていない場合には、労働者の代表と雇用者が話し合って決めます。この期日は少なくとも2ヶ月以上前に発表するように決められています。 前年以前の参照期間に付随する有給休暇は進行中の年の4月30日までに取ることになっています。そしてこの有給休暇を翌年に繰り越すことは原則として出来ません。ただし、5週目の有給休暇については、最大6年以内についてはサバティカル休暇あるいは起業のためにためることが出来ます。

    また、海外派遣中の社員やあるいは外国人社員の場合には、雇用者と社員の間で話し合って有給休暇を取る時を決めることが許されています。

    24日を越える有給休暇については、社員は時間貯金にためることが許されています。

    出産あるいは養子のための休暇を取った社員は、出勤し始めた時にすでに有給休暇の期間が終わっていても、有給休暇を取ることが許されています。

     

  • 有給休暇の日程
  • 有給休暇を取る時は雇用者と社員代表の話し合いによって決められますが、このとき他の会社で働いている社員の配偶者の有給休暇の期間等を考慮します。したがって、夫婦あるいはPACSの男女が同一の会社で働いている場合には、当然同時の有給休暇を取る権利があります。 こうして決められた有給休暇の日程は少なくとも1ヶ月以上前に個々のの社員に伝えられると共に発表されます。 こうして決まった日程は、特別の状況でない限り変更できないことになっています。ただし、この「特別の状況」については労働法でははっきりと定義されていませんので、その点について紛争が起きたときには、裁判所の判断を仰ぐことになります。

    有給休暇は連続して取れるのは24日以内です。特別な状況をのぞいては5週目は別に取ることになっています。 また、12日を越えない有給休暇は連続して取ることになっています。また12日を越える休暇については被雇用者の同意を得て雇用者が分割することが出来ます。この場合12日分は連続して取ることになっており、この12日の両端は週の休日にはさまれていることが必要ですし、5月1日から10月31日の間に取ることになっています。

    5週目については、会社の休業をしやすくするために雇用者が分割することが許されています。 主たる有給休暇の24日を分割したために、休暇の全部が法で決められた5月1日から10月31日の間に取れなくなったとき、3日から5日がこの期間外になった時は、1日の補償休暇が与えられますし、6日以上がこの期間外になったときには、2日の補償休暇が与えられることになっています。ただし、個人的な同意あるいは団体的な協約があるときには、この保障休暇なしで、雇用者は有給休暇を分割することも可能です。

     

  • 有給休暇中の手当の計算
  • この有給休暇期間中の手当てはどのように計算するか?

    (1)この期間中に被雇用者が働いていたとしたら受け取ったであろう報酬

    (2)参照期間中(6月1日から5月31日)に受け取った被雇用者の名目上の報酬の10分の1

     この参照期間中の名目上の報酬とは基本給与と付随する報酬(生産性手当て、残業手当、フリンジベネフィット、期間契約社員の契約終了補償金等々)を含みます。 この二つの計算方式のうち被雇用者にとって有利な方式で計算することになっています。 また、この手当ての支払いは通常の給与の支払日にすることになっています。

     

  • 有給休暇と特別な事情
  • 雇用契約解消のために必要な有給休暇が取れなかった場合には、その分だけの補償金を受け取ることが出来ます。

    有給休暇中に病気になってもその分だけ有給休暇を延ばすことはできません。この場合には、有給休暇手当てを通常のとおりに受け取り且つまた社会保障機関より病欠の手当てを受け取ります。ただし病欠の場合に受け取る雇用者の補償分は支払われません。 被雇用者が有給休暇の始まる前に病気で病欠が有給休暇の期間が終わる前に終わる時は、被雇用者は有給休暇の期間を延期してもらうことが出来ます。 被雇用者の病欠が有給休暇の期間が終わるまで続いた時には、被雇用者は権利として有給休暇を延期してもらうことが出来ます。

    出産のためあるいは養子のために休暇を取ったものは出勤を始めてから、労使の間で決めた有給休暇の日程とは関係なく有給休暇を取る権利があります。

     

    ※情報は掲載時点のものです。また、あくまで一般論であり、背景の異なる個別のケースでは該当しない場合もあります。最新の情報やお客様のケースにあった情報につきましてはお問合せください。

     


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