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フランスにおける小切手について

フランスにおける小切手について、使用方法と注意点をご説明します。

 

  • 概要
  • 小切手はあなたが一つの銀行に支払いを委任する委任状です。どんな形の物でも構いませんが通常は各銀行が作ってくれる出来合いのものを使います。  

     銀行は小切手上にすべてに必要な事項が記載されていることを確認する義務があります。

    *小切手であることの記載

    *金額

    *支払銀行

    *支払場所

    *小切手の発行された場所と日時

    *小切手を発行した人のサイン

     

  • 小切手の金額記入
  • 銀行の作り付けの小切手ですと数字と文字の両方で金額を記入するようになっていることが多いのですが、これはこの両方が書いてないと小切手が無効であるということを意味しません。法が要求しているのは金額が明白であるということだけです。  

    もしも数字と文字で書いてある金額が違う場合には、文字で書かれている金額が正しい金額とみなされます。  

    こんな例があります。

    小切手が、31000 euros と trente et mille euros の二つが書いてあった場合の話です。この場合数字で書かれている金額と文字で書かれている金額とは違います。この場合には文字で書かれている方は文法的に間違っていて意味がはっきりしません。では数字の方が明らかだから数字で表示された金額を取ればよいかと言うとそうではありません。

    上記の規則(金融法・・・Code monétaire et financier)の第L131-10条)により、数字と文字の内容が違いますから、文字で書かれているほうが有効になります。

    ところがその文字で書かれている方は文法的な誤りがあり正確な意味をなしていません。したがってこの小切手は無効であるという判決が出ています。    

    こんな例もあります。

    小切手が、7000euros と sept euros と書かれていたのです。銀行は「常識的な判断」に従って7000ユーロを支払いました。ところがこの小切手を振り出した人が銀行を相手取って裁判を起こし銀行は7000ユーロと7ユーロの差額の6993ユーロを小切手の振出人に支払うように命じられました。

     

  • 小切手の日付
  • 小切手には発行された日付が記入されていることが必要です。

    こんな例もあります。

    死亡した人がその死亡の前に小切手を振り出して渡していたのですが、小切手には日付が記入されていませんでした。相続人たちは裁判でこの小切手の無効を申し立てて認められました。  

     小切手は死亡する前に振り出されて相手に渡された時には有効で、銀行は死者の口座はブロックされているのにもかかわらずに取り立てに回ってきたこの小切手を支払ってしまいます。   しかし死んだ人が死ぬ前に小切手を書いても相手に渡すことをせずに引き出しや金庫の中にしまっておいたものが死後に発見された場合には、この小切手は相手方に支払われません。

     

  • 小切手のサイン
  • 銀行は小切手に書かれたサインが本人の物であることを確認する義務があります。つまり口座を開いた時に登録した本人のサインと同一であることを確認する義務があるのです。  

    こんな例があります。

    離婚した妻が持っていた小切手帳を使って前の夫の口座よりお金を引き出した場合です。もちろん妻は夫のサインをまねたものです。しかし裁判所はまねられたサインには明らかな違いがあるとして銀行に払い戻しを命じました。

     

  • 銀行の責任と義務
  • しかしこんな例があるからと言って銀行が客のプライベートに介入する義務もなければ権利もありません。

    こんな例があります。

    会社の委任状を持っている社員が会社のお金を無断で引き下ろして私用した場合です。この場合には銀行には何の責任もないという判決が出ています。  

    また、客の方に明らかな誤りがある場合にも銀行には責任がないかあるいは責任の一部を免除されます。

    例えばお手伝いさんに口座の管理を任せ切っていて月々の口座の明細も確認していなかったお客の場合です。  

    銀行の小切手だからと安心するとそうでもないという例もあります。

    高額の場合には不渡りを避けるために銀行振り出しの小切手を要求されることが多いものです。

    車を売った人が買った人から25000ユーロの銀行小切手を受け取りました。ところがこの小切手が銀行から手紙の管理を依頼されていた会社から盗まれた小切手帳にあった小切手の内の一枚であったのです。銀行は支払いを拒否しました。  

    車の買主は行方が分からないために売った人は銀行(自分の銀行と小切手の振り出し銀行)相手に払い戻しの請求をしました。しかし裁判所は車の買主が銀行小切手が正規の物であるか Banque de France に確認するべきであったとして、銀行には責任はないとしました。  

    小切手の裏には受取人のサインがありそのサインが小切手を入金する口座の持ち主の物であることを確認する義務があります。  

    こんな例があります。

    車を売った場合です。車を買った人が代金の31000ユーロを銀行送金しますと約束しました。この買った人は自分の小切手を相手の名前で振り出して、自分で裏に相手のサインをまねて、相手の銀行に持ち込んだのです。相手の銀行は相手の口座に入金しました。売り手は入金を確認できたので車を相手に渡しました。ところがこの買い手が自分で振り出した小切手の盗難届を出したのです。小切手の取り立てをした買い手の銀行は小切手が盗難されたものであるということで取り立てができずに売り手の口座に入金した31000ユーロを再び引き出しました。その間に買い手は消え失せてしまいました。売り手は自分の銀行相手に裁判を起こしました。裁判所は損害賠償として10000ユーロの支払いを銀行に命じました。なぜならば入金のために小切手の裏にされたサインが小切手の入金のされる口座の持ち主の物であるかどうか確認する義務があったからです。  

    小切手帳を渡すときには銀行は十分に慎重でなくてはなりません。 たとえば客が小切手を普通郵便で送るようにはっきりと指示した場合を除いては銀行は小切手帳を書留で送る義務があります。  

    こんな例があります。

    客の通例として小切手を普通郵便で送っていた銀行支店がありました。その支店のお客たちの小切手が盗難小切手ということで支払われなかったためにその額の総計が10000ユーロを超えてしまった近所のスーパーがその銀行の支店を相手取って訴訟を起こしました。裁判所は銀行支店に盗難として支払われなかった小切手の総額を支払うように銀行支店に命じました。  

    銀行支店が前もって、「普通郵便で10日以内に小切手帳が届かない場合には小切手の支払いの差し止め手続きをするように。」という通知を送ることによって銀行支店がその責任を回避しようとしても原則としてそれは認められません。  

    これはよく銀行が口座明細に受領後1か月以内に異議申し立てのない場合にはこの明細に記載されていることは承認されたものとみなしますと書いてあるのと同じことです。こんな一方的な押し付けは通りません。  

    銀行は口座の持ち主に小切手帳を渡す義務があります。

    こんな例があります。

    成人したばかりの客の母親へ小切手帳とクレジットカードを渡してしまった銀行支店がありました。この母親が息子が給与を受け取っていた口座のお金を全部引き出してしまったのです。息子は銀行相手に訴訟を起こし損害賠償金をこの銀行支店に支払わせることができました。  

    銀行は残高不足で小切手の支払いを拒否する場合にはその旨前もって客に通知する義務があります。  

    こんな例があります。

    残高不足を理由に客の小切手を何の通知もなく支払いを拒否した銀行がありました。客は入金する間もないうちに小切手は不渡りとなり客は銀行取引停止処分となりました。客は銀行相手に訴訟を起こしました。裁判所はこの客が常習的に残高不足の事件を起こしていたために、たとえ銀行支店が通知をしていても残高不足を補った可能性は少ないとして客の損害を500ユーロと評価しました。

    同時に客が残高不足を承知して小切手を切った場合でも銀行が小切手の支払いを拒否するときには前もって客に通知する義務があることをはっきりと確認しました。  

    例えば複数の小切手が支払い不可能になった場合でもそのおのおのの小切手について支払いを拒否する旨の通知をしなくてはなりません。  

    こんな例があります。

    銀行支店が客に許容赤字幅を超えて赤字になっているので新しい残高不足の小切手は必然的に銀行停止になる旨通知しました。その後3枚の小切手が残高不足になり銀行支店は何の通知もなく支払いを拒否して客は銀行取引停止となりました。この場合裁判所は銀行側に責任があるとしました。  

     

  • 小切手の差し止め
  • 自分で振り出した小切手の支払いを差し止めるためには一定の条件を満たしていることが必要です。小切手の支払いを自分で差し止めることが認められているのは次の場合です。

     紛失、盗難、不正な使用、保護手続き、構成や破産の手続き。  

    この支払差し止めを申し出た場合には書面にてただちにコンファームすることが必要です。  

    この小切手の支払いの差し止めは、これらの法で決められている場合の他はすることができません。  

    例えば脅かされて小切手を振り出した場合は上記の法で決められた場合には入っていませんが、これは盗まれた場合に準ずるとされます。  

    判事は訪問販売の場合には既定の撤回期間の7日が立たないうちは小切手を入金してはならないとしています。したがってこの7日が立たないうちに取り立てに回された小切手については支払いの差し止めをすることが可能です。なぜならばこれは不正な使用にあたるからです。  

    自分が所有者でない場合にも売買の約束が決まった時に小切手をきらせるのも不正な使用と言えます。  

     借金の保証のために切った小切手について小切手の額面金額が借金等の金額よりも多いという理由では支払いの差し止めをすることはできません。受け取った人は自由に入金をしてしまってその差額を返還すればよいことになります。  

    支払いの差し止めを要求する人は書面によってコンファームする義務があるだけです。銀行はそれ以外の手続きを要求することはできません。また銀行は小切手支払いの差し止めの理由が真実かどうかを確かめる義務もなければ権利もありません。小切手の受取人のみがその小切手の支払い差し止めの理由の正当性について異議を唱えることができます。

     

     

    ※情報は掲載時点のものです。また、あくまで一般論であり、背景の異なる個別のケースでは該当しない場合もあります。最新の情報やお客様のケースにあった情報につきましてはお問合せください。

     

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