フランスにおけるAuto-entrepreneur の注意点

人気の制度であるAuto-entrepreneurの注意点をご説明します。

 

  • Auto-entrepreneur の注意点
  • Auto-entrepreneur あるいは Auto-entreprise という制度が政府によって自営業者の手続き上あるいは営業上の便宜を図るために作られたのが2009年の1月1日です。

    それからずいぶんいろいろと修正が試みられてきました。

    TVAの支払いが免除されるというのも、スタートアップにとって競争力を高める道でした。

    現在ではこのTVAの免除を受けるには、商工業では年間の売り上げが82800ユーロ以下、サービス業では、年間の売り上げが33200ユーロ以下となっています。

    このTVAの免除に主眼がない場合には、現在の auto-entreprise の枠は下記のようになっています。

    商工業: 170000ユーロ

    サービス業: 70000ユーロ

    これですとかなり枠が広がりますね。

    以下では主にTVAの免除が受けられる枠内でお話を勧めます。

     

  • Auto-entrepreneurの制度と将来計画のマッチング度
  • インターネット上で手続きができること等もあり、学生やVISITEURからのステイタスの変更に便利かということで考えている人もたくさんいるようです。

    たしかに、フランスですから、細かいことに気が付かずに登録ができてしまうこともあります。そうすればその既成事実が滞在許可のステイタスの変更の上で役に立つこともありますから、「だめもと」で試されるのは無駄ではないかもしれません。

    しかし公式には、VISITEURや学生のままで Auto-entrepreneur になることはできません。

    これからフランスで本格的にビジネスをやってゆこうという場合に Auto-entreprise という制度が有利なものかどうか、皆さんが作戦を立てる上で参考になりそうなことをこれからいくつかご説明します。

    (1)Auto-entreprise として認められている売り上げの上限が小さいこと。商業で82800ユーロ、サービス業で33200ユーロです。この上限は本格的にビジネスを目指している場合には、比較的短期間にオーバーしてしまいます。

    (2)商業登記(RCS)をしなくても商業ができるということは、簡易化という意味では利点かもしれませんが、不動産の商業賃貸契約や商業権の買収のように商業登記が必要な件については、RCSに登記をしない限り Auto-entrepreneur というだけではこれらの行為を実現する権利はありません。

    (3)また、主なる職として Artisan にあたるものをやる場合には、Chambre de métiers et de l'artisanat へ登記をすることが義務付けられていますから、登記の免除はありません。

    (4)TVAが免除されますから、その分お客さんにとって安くなりますから競争力が付きます。その反面、自分が支払ったTVAについて還付がききません。したがって、TVAの還付の対象となる経費を多く使うときには、大変不利になります。

    (5)社会保障費あるいは税を売り上げに従って支払いますから、売り上げのないときには支払う必要がありませんから、スタート時のまだ厳しいときには便利なようですが、その反面、月々あるいは3か月ごとに支払いをさせられますから、「まったなし」の支払いのために厳しいものがあるとも言えます。これが Auto-entreprise ではない場合には、税等の支払いは翌年になりますから、その間資金として運用できますから、かなり楽なものがあります。

    (6)さらに注意する必要があるのは、サラリーマン等をしていてから、Auto-entreprise に乗り出す場合には、その翌年にサリーマンとしての課税が来ると同時に「まったなし」で Auto-entreprise の社会保障費や税の支払いがリアルタイムで来ますから、結構支払いに追われることになります。

    (7)上記のTVAのところでも述べましたが、Auto-entreprise の場合には売り上げに対して課税あるいは社会保障費の支払いが要求されます。ですから、スタート時の売り上げのはっきりしないときには便利ですが、その反面、せっかく売り上げがあってもスタート時のために経費が多くかかって赤字になったというときにこんなことになります。

    つまり、Auto-entreprise は売り上げによって社会保障費と課税額が決まるために売り上げがないときにこれらの税を支払わされるということがなくて有利というのが裏目に出ます。経費が多くかかって赤字になっても(この場合には、Auto-entreprise ではない場合には課税はされませんし、社会保障費の支払いも少額です)しっかり売り上げの額に従って社会保障費を税を支払うことになります。もちろん通常の税制のように赤字を翌年に持ち越すことはできません。

    (8)また Auto-entreprise 以外にも所得がある場合には、累進課税率を決めるときには、このAuto-entreprise の所得も考慮に入れてグローバルな所得を計算して、累進課税率を決めます。したがって、Auto-entreprise の活動のために従来よりも累進課税率が上がってしまうことも起こりえます。

    (9)Auto-entreprise は自営業とおなじですから、自分の住居等の資産を差し押さえ不可能として Notaire を通して手続きをしておかないと万が一の場合には自分の個人的な資産も差し押さえの対象になってしまいます。

    (10)この辺はまた別のところでも述べますが、個人の資産を差し押さえ不可能の手続きをすれば、銀行がなかなかお金を貸してくれなくなったりします。そんな手続きをすれば、銀行はお金を貸す時に、個人的に保障に立つなど何らかの方法で万一の場合にはの保障を求めてくることが多いです。ふつうは、「まあしかたがないか」ということで個人的に保障に立ったりして、せっかくの個人的資産の保護も無駄にしてしまうことが多いのです。しかしここは、断固頑張って、自分のビジネスだけで銀行を納得させてお金を借りるべきで、簡単に個人の資産を保障に立てるべきではありません。

    (11)もちろん Auto-entrepreneur もほかの自営業等の人と同様に失業保険はききません。

    (12)数人の人が集まって会社を作る替わりに、それぞれが Auto-entreprise として登録して、事実上はこの数人が集まって一つの会社として機能するということもできません。もし発覚すれば、税も社会保障費も修正して請求されます。

    (13)法人は Auto-entreprise となることはできません。

    (14)Auto-entreprise でいろんなカテゴリーの仕事をすることができる反面、一人の人が複数の Auto-entreprise を登記することはできません。

    (15)次のような仕事は Auto-entreprise の形ではできません。      

    * TVA agricole の範疇に属するもの。      

    * 耐久消費財のリース業      

    *EU 内のほかの国での新車の販売。      

    * TVA immobilière の範疇に属するもの。      

    * 文学・科学・芸術活動。      

    * スポーツ活動については、過去2年間あるいは4年間の所得平均を課税対象とする税制を選んだ場合。      

    * 期日決済による株式・商品市場での売買。

    (16)また次のような点も注意が必要です。     

    * Militaire と Gendarme は Auto-entreprise を起こせません。警察官あるいは刑事はこの禁止に入っていません。      

    * 訪問販売は Auto-entreprise ではできませんでしたが、現在では訪問販売も auto-entreprise の形でできます。      

    * Congép parental d'éducation にあるもの(終わればできます)。      

    *Congé maternité にあるもの(終わればできます)。

     

    ※情報は掲載時点のものです。また、あくまで一般論であり、背景の異なる個別のケースでは該当しない場合もあります。最新の情報やお客様のケースにあった情報につきましてはお問合せください。

     


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